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M&Aニュース

                                               2007年7月11日
 


取得以外の三角合併の取扱いを検討

 ASBJ 7月末に適用指針の改正案公表へ

 

企業会計準備委員会(ASBJ)は6月21日、第35回企業結合専門委員会を開催した。合併等対価の柔軟化に関する法務省令の施行などに伴い、新たな論点の検討を開始した。検討項目は、@親会社株式を対価とした合併等が、持分の結合、共同支配企業の形成又は共通支配下の取引に該当する場合の会計処理、A株式交換または株式移転において中間子会社に対価を支払う場合の会計処理、の二点。早ければ7月末に、「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号)の改正案を公表したい考えだ。

与党は、平成19年度の税制改正の内容を決定し、「平成19年度税制改正大綱」を取りまとめて公表した。
 事業承継にかかる種類株式については、@配当優先の無議決権株式、A社債類似株式、B拒否権付株式の3類型の相続税等における評価方法が定められる。
 会社法の施行により、19年5月から可能となる三角合併の課税の繰延要件については、現行の組織再編税制との整合性を図り手当てされ、合併法人の100%親法人株式を合併対価として交付する場合は税制適格合併として課税の繰延が認められる。また、非居住者や外国法人に外国親法人の株式が交付される場合には非適格とすることや、タックス・ヘイブン会社を利用した合併による租税回避行為を防止する規定も設けられる。
 80年ぶりに改正された信託法関連では、法人税の回避を防止する観点から、その受託者に対し、受託者の信託財産から生ずる所得について一定の要件のもと法人税を課税することとなる。また、改正信託法により可能となる多種多様な信託についても、税制面での手当てが行われる。

共通支配下取引に該当するケースなど

三角合併を行う場合の会計上の取扱いについては、現行適用指針において、子会社が親会社株式を支払いの対価として、他の企業(第三者)と企業結合する場合に当該企業結合が「取得」に該当するときの会計処理を定めている。しかし、取得以外の三角合併が行われることも想定されるため、そうした会計処理についても明らかにする。利用されるケースが多いと見られるのが、共通支配下の取引に該当するケース。提案された会計処理は、次の通りだ。

<子会社S1社(吸収合併存続会社)の個別財務諸表上の処理>
 同一の株主に支配されている子会社同士において、子会社が親会社株式を対価として他の企業と合併する場合、吸収合併存続会社である子会社は、吸収合併消滅会社の受け入れる資産および負債を合併期日の前日に付された適正な帳簿価額により計上する。また、合併対価が現金等の財産のみである場合との整合性から、吸収合併消滅会社の株主資本との額と交付した親会社株式の適正な帳簿価額との差額をのれん(または負ののれん)として計上する。

<親会社P社の連結財務諸表上の処理>
 連結財務諸表上、子会社の個別財務諸表において計上されたのれんの額(親会社持分相当額)を戻し、少数株主との取引について、交付した自己株式の時価と適正な帳簿価額との差額を自己株式処分差額に計上し、のれんを計上する。



株式交換・移転で中間子会社に対価を支払う場合の取扱いも検討

 上記論点に加え、株式交換または株式移転において中間子会社に対価を支払う場合の会計処理を検討する。平成18年12月に行った適用指針の改正では、合併および会社分割については、中間子会社に対価を支払う場合の会計処理を示しているが、株式交換および株式移転についても中間子会社に対価を支払う場合が実務上見られるため、その取扱いを検討するものだ。三角合併の取扱いと同様に適用指針の改正を行う。


(以上参考;週刊「経営財務」第2825号)
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