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M&Aニュース

                                               2009年10月07日
 



  
        「無形資産」の定義を整理
           
 

              

 平成21年9月17日に開催された企業会計基準委員会では、1.無形資産専門委員会における検討状況、2.特別目的会社専門委員会における検討状況、3.退職給付会計専門委員会における検討状況についての審議が行われた。
 1.については、前回委員会での審議を受け、定義の文案検討ほかの審議が行われた。
 定義に関する前回の文案は、「無形資産とは、資産のうち物理的実体のないものをいう」としていたが、金融商品も無形資産の定義に該当することになってしまうが、従来からそのような考えは取られていないとの指摘、のれんが無形資産から排除されていることを明確にする必要がある等の指摘があった。
 これらの指摘を受けて、定義において金融資産が除外され、のれんが排除されていることが明確になるよう、新たに「無形資産とは、金融資産以外の識別可能な資産のうち物理的実体のないものをいう」と定義することで整理が行われている。
 2.については、論点整理に寄せられたコメントを踏まえ、連結の範囲についての今後の検討の方向性に係る審議が行われた。
 論点整理では、現行のパワーを基礎とする支配にリターンの要素を加えることを検討しているが、事業を営む典型的な企業については、現行の支配力基準の適用の仕方を原則的に踏襲することが考えられている。
 一方、特別目的会社(SPE)については、一定の要件を満たしたSPEには、当該SPEに対する出資者等の子会社に該当しないものと推定するという「子会社等の範囲の見直しに係る具体的な取扱い」を削除し、現行の実質支配力基準を今後も踏まえるかについて検討することが考えられている。この取扱いの削除については慎重な意見が複数の委員から出されているが、現段階では決定ではなく、今後削除した場合の影響を含め、その対応を検討していくことが事務局より報告された。
 3.については、IASBの公開草案「従業員給付の割引率」に対するコメント案の検討が行われた。現行のIAS第19号「従業員給付」では、退職給付債務の計算に用いる割引率は、期末時点の優良社債の市場利回りを参照して決定することを要求し、そのような社債について厚みのある市場が存在しない場合には、例外的に国債の市場利回りを使用することを認めている。欧州では、これらの異なった率の使用を認めることにより、同じ退職給付債務を有する企業でも、割引率の差異により、かなり異なる金額で報告が行われる可能性があり、昨今の世界的な金融危機の結果として、社債の利回りと国債の利回りとのスプレッドは著しく広がり、この影響はかなり増加しているとの指摘がある。
 公開草案は、国債の市場利回り規定の削除と、厚みのある市場がない場合にIAS第39号を利用した優良社債の利回りを見積もるガイダンスを設ける案を示しているが、我が国では優良社債の利回りの使用が認められており、IASBでは今後割引率の包括的見直しが予定されていることから、コメントを行わない方向で検討が行われた。




(以上参考;週刊「経営財務」第2936号)
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