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M&Aニュース

                                               2010年05月24日
 





      IPO、日経平均12,000円超を希望

            

       TDB調査 現在の株価水準では踏み切れず

 



  「新規株式上場(IPO)は、日経平均株価が12,000円を超えてから」。帝国データバンク(TDB)の調査により、IPOの意向がある企業631者の”本音”が明らかになった。IPO時に希望する株価水準は、日経平均12,000〜14,000円台(12%)、15,000円台(13%)との回答が多く、12,000未満は僅か2.1%。「現状ではIPOに踏み切れないが、株価が回復すれば新規上場して資金調達力を向上させたい」との思惑がうかがえる。


◆ 09年のIPOは30減の19者、00年以降最少


 2008年秋のリーマン・ショック以降、IPO数の落ち込みが著しい。2009年のIPO数は、2008年の49社から30社減の19社。これは2000年以降で最も少ない数であり、1992年(26社)〜93年(90社)以来となる2年連続の100社割れとなった。
 調査によると、IPO予備軍631社の上場予定時期は、未定(45.5%)、2013年(14.4%)、2015年以降(11.3%)。上場理由は、知名度・信用度向上(75%)や資金調達力向上(58%)が多い。


◆ 3%が中国・韓国など海外市場でIPO予定


 上場予定市場については、大証ヘラクレス、JASDAQ、NEOの3市場が統合して誕生予定の新JASDAQ(42.2%)、東証マザーズ(38.8%)の2市場に回答が集中した。「海外市場」も20社(3.2%)あり、TDBでは、「中国・韓国等の取引所による上場誘致もあり、アジア市場の将来性を見込む企業が増加しているのでは」と分析している。「IFRSを適用すれば日本にこだわる必要はない」、「アジア市場でIPOするケースも出てきており、そういった企業はIFRSを資金調達党の手段として考えている」等の声もある。


◆ 日経1万2千未満での上場希望は僅か2.1%


 IPO時の希望株価は、「わからない、非公表・未回答、希望はない」が67.3%、その他の回答はグラフの通り。現状の株価水準(5月12日終値で10,394円)では、IPOに踏み切れない会社が多いようだ。
 なお、本年4月に新規上場した第一生命保険(株)の株価をみると、公開価格14万円に対して、初値は16万円で決定。好調なスタートをきったものの、その後は”ギリシャ不安”の影響などで15万円台中盤を推移している(5月12日時店)。
 市場からの関心が高い第一生命でもこうした状況である。株価が低迷している現状では、十分な資金調達ができない可能性も懸念される。調査結果に表れた通り、「市場の地合いが良い時期に上場して、資金調達力を向上させたい」というのが、IPO予備軍の本年のようだ。




       (以上参考;週刊「経営財務」第2966号)
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