M&Aニュース

                                               2007年5月09日

国税庁 資産評価企画官情報で種類株式評価の計算例


  無議決権株式の5%調整計算、社債類似株式ある場合の純資産価額計算等を例示   

 国税庁は4月2日、資産評価企画官情報第1号「種類株式の評価について(情報)」(19年3月9日)を公表した。
 種類株式の評価方法の明確化を求める中小企業庁の紹介に対して行われた文書回答について、具体的な計算例を紹介して解説しているもので、配当優先株式、無議決権株式、社債類似株式、拒否権付株式の評価方法を示し、取引相場のない株式の評価明細書の記載についての留意事項も取り上げている。
 評価方法が明確化された3類型の種類株式に関する取扱いは、実質的に財産評価基本通達と同等のものとして通達されており、平成19年1月1日以降に相続等によって同族株主が取得した場合に適用されることになる。


文書回答を具体的計算例で補足

 平成19年度税制改正大綱では、中小企業で活用が考えられる配当優先この無議決権株式、社債類似株式、拒否権付株式の3類型の種類株式について評価方法を明確するとされた。これを受け、さる3月16日には、国税庁により文書回答事例「相続等により取得した種類株式の評価について」が公表されたところだ。
 今回の資産評価企画官情報では、配当について優先・劣後のある株式を発行している場合の類似業種比準方式の計算例、無議決権株式がある場合に選択適用できる5%評価減の調整計算の計算例、社債類似株式を発行している場合の類似業種比準、純資産価額方式の計算例について説明されている。
 一定の要件を満たす社債類似株式は発行価額より評価されることから、社債類似株式以外の株式評価について評価方法の計算例を示している。

無議決権株ある場合は議決権割合で同族判定

 中小企業の事業承継対策で活用が想定される無議決権株式については、原則として議決権の有無を考慮せずに評価されるが、納税者の選択で、原則的評価方式により評価した価額から5%を乗じて計算した金額を控除、その分を議決権株式に加算して申告することができることとなった。この5%調整計算は相続税評価の際に選択することができる。
 情報では、「参考」として、無議決権株式がある場合の同族株主の判定に関し、判定は持株割合ではなく議決権割合により行うため、同族株主グループに属する株主であっても、中心的な同族株主以外の株主で議決権割合が5%未満の役員でない株主等は、無議決権株式の所有の多寡にかかわらず同族株主に該当しないこととなるので、その株主等が所有する株式は評価通達188-2《同族株主以外の株主等が取得した株主の評価》により配当還元方式を適用して評価することに留意するとしている。



(以上参考;週刊「経営財務」第2816号)
(このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)





Copyright (C) 1999- M&A Intercross Co.,Ltd , All rights reserved.
omo