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                                               2007年5月24日

複合金融商品の会計処理の適用指針を公表議決


  資産除去債務の会計処理の論点を整理   

 平成19年4月19日に開催された第127回企業会計準備委員会では
1.適用指針「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理(案)」【公表議決】
2.公開草案「『退職給付に係る会計基準』の一部改正(その2)(案)」のコメント
3.論点整理「資産除去債務の会計処理に関する論点の整理(案)」
4.過年度遡及修正専門委員会における検討状況についての審議

 が行われた。

 1.は、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」のうち、払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理の適用指針である。
 新たに設けられた項目として、取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の会計処理がある。取得条項付の転換社債型新株予約権付社債の発行者が、当該取得条項に基づき当該転換社債型新株予約権付社債を取得するときの発行者側の会計処理(一括法の場合)は、取得に際して支払う対価が、@現金、A自社の株式、B現金と自社の株式のいずれによるかにより、さらに取得と同時に消却するか否かにより異なる。
 @の場合で取得同時消却をする場合には、その経済的実体が社債の繰上償還と同じであることから、繰上償還に準じて処理を行う。同時消却以外の場合には、金融商品会計基準における有価証券の取得に準じて、売買目的又はその他有価証券を取得したものとして処理を行う(自己社債を満期まで保有し続けることは認められていない)。
 Aの場合で取得同時消却をする場合には、転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権が行使された場合に準じ、帳簿価額に基づいて処理を行う。同時消却以外の場合には、時価に基づいて処理する。
 Bについては、Aと同様の取扱いである。
 この他、取得条項付の新株予約権に関する会計処理や、自己社債の会計処理等が追加的に規定されている。
 2.に関しては、公開草案に対するコメントの分析とその対応の説明が行われた。次回委員会での議決が予定されている。
 3.に関しては、前回に引き続き、資産除去債務の現在価値算定時のキャッシュ・フローと割引率等、試算除去債務の会計処理に係る論点の整理が行われた。
 審議では、将来キャッシュ・フローが見積値から乖離するリスクや、債務者自身の信用リスク(債務不履行のリスク)をどう取り込むかにより債務額が変わってくるため、これらをどのように取扱うかが議論されている。
 この論点は、債務の評価に自身の信用リスクを織り込むことにより生じるパラドクスの問題も含んでいる。
 4.に関しては、過年度遡及修正に関する検討を行う上での目的及び範囲についての説明が行われた後、連結財務諸表のみならず、個別財務諸表についても遡及修正を求めるか等の検討が行われた。これに関しては、証取法の財務諸表と会社法の計算書類との関係を整理して検討すべき等の意見があった。



(以上参考;週刊「経営財務」第2819号)
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