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M&Aニュース

                                               2007年6月29日
 


非上場株式についても80%の減額措置を提言

 自民党 中小企業の事業承継について中間とりまとめを作成

 

かねてより中小企業の円滑な事業承継を検討してきた自民党の事業承継問題検討小委員会は、これまで検討してきた内容の「中間取りまとめ」を作成し、党の経済産業部会で了承された。
 今回の取りまとめは、委員会の「事業承継税制」、「後継者問題等」、「相続法」の3つの分科会により検討してきた内容を柱としており、税制については、非上場株式等事業用資産の相続税の減免措置が提言されている。特に、事業継続を条件に、事業用宅地と同様に非上場株式についても80%の減額措置の導入が提言されている点が注目される。具体的な検討は秋以降に、党の税制調査会における税制改正の議論で行われることとなるが、この提言をたたき台に検討が進められることになるようだ。
 また、後継者問題については、深刻な問題になっている後継者不足の改善のため、後継者育成の予算措置や金融支援についての提言が行われている。
 さらに、遺留分等の相続法上の制約により、後継者への事業用資産が制限されるという問題については、民法の特例法を視野に入れ「事業承継契約(仮称)スキーム」の創設ということが提言されている。
 この「中間とりまとめ」では、税制改正、予算措置、立法を3点セットとして、中小企業の事業承継の円滑化を図るべきとされているが、税制については、平成20年の税制改正で措置法の改正により具体化したいとの声も聞かれ、秋以降の税制改正の動向が注目される。


党の経産部会で了承

6月19日、自民党の事業承継問題検討小委員会が取りまとめた、「中小企業の事業承継円滑化に向けた提言(中間取りまとめ)」が、党の経済産業部会・中小企業調査会合同会議で了承された。
 提言は、事業承継問題検討小委員会の3つの分科会が、中小企業の事業承継の課題として検討してきた「事業承継税制」、「後継者問題等」、「相続法」について取りまとめたもので、実現化されると、今後の中小企業の事業活動に大きな影響を与える内容になっている。


事業継続を条件に80%の減額措置を非上場株式に導入          

税制措置については、事業承継税制の抜本的拡充として、@非上場株式等の事業用資産に係る相続税の減免措置を中心に、A非上場株式の評価、B納税円滑化を併せた適切な制度の拡充や見直しが提言されている。
 具体的には、一定期間の事業継続などを条件に、現行の事業用宅地で実現している80%の減額措置を非上場株式などの事業用資産全体に適用し、80%以上の大幅な減額制度を導入すること、また、非上場株式の評価方法や自己株式買取りに係るみなし配当課税の特例などについても、必要な見直しの実施が提言されている。
 なお、事業継続要件の担保については、事業承継計画の承認や、主務大臣又は税務署に要件を証する書類を提出することの義務づけ等を検討することが盛り込まれており、年間でおよそ600億円程度の減税効果があるとの見方がされている。

後継者問題等等への対応

後継者育成問題に対応するため、@中小企業経営者及び後継者向けの研修・セミナーに関する支援、A事業承継対策の専門家が実施する相談等に対する支援、B廃業と開業のマッチング・M&A支援事業等に対する支援、C商工会議所・商工会の経営指導員等の必要な知識習得に関する支援、D小規模零細企業・商店街における事業承継円滑化の支援、E事業承継に際しての資金ニーズに対応する制度融資の創設等の金融支援を必要とする等の提言がされている。

遺留分法規の手続きの簡素化を提言

相続法上の制約、特に、原則として法廷相続分の半分とされる、配偶者や子供等に保証される最低限の資産承継の権利である遺留分については、事業の後継者への事業用資産の集中を制限し、事業承継の阻害の要因となっている。そこで、当事者間の合意に基づき、後継者以外の相続人が遺留分放棄を行う際の手続きが簡素化できるような制度を盛り込んだ、相続発生後の遺留分に係る紛争を防止するための「事業承継契約(仮称)スキーム」を創設することが、新規立法を視野に提言されている。
 また、生前贈与された株式の価値の上昇を考慮し、贈与時の株式の評価を固定できる制度の創設の検討も提言されている。


(以上参考;週刊「税務通信」第2973号)
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