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M&Aニュース

                                               2007年7月23日
 


19年度政令 有利な金額による有価証券の取得が否かの判定時点を明確化

 通達実務を踏襲し払込金額等を定める時の時価と想定

 平成19年度の法人税法施行令の改正では、法人が有価証券を取得する際、その取得が通常要する金額に比して有利な金額による取得か否かの判断は、「払込金銭等の額を定める時の時価」を基準とする旨の改正が行われている(法令119@四)。
 これは、通常要する金額に比して有利な金額か否かの判断について、従前から取扱い通達で「決定日の現況における発行法人の株式の価額に比して」と定められている点を踏まえ、法令上も「取得時の時価とは、具体的にいつの時点の時価であるか」について、明確化を図ったもので、実務上は、大きな影響を与えるものではない点を念のため確認しておきたい。

 「取得時の価額」を「払込金額等を定める時の価額」と改定

  表のとおり、改正前の規定では、有価証券の取得が通常要する金額よりも有利な金額によるものか否かは、払込金額等と「取得時の時価」とを比較することとされていた。
 しかし、「取得時の時価」では、”取得時”の捉え方に幅があり、値動きのある有価証券について、例えば、払込金額等を決定した時点では有利な金額であっても、払込期日には、もはや有利とはいえないという事態も考えられる。
 そこで、新法令では、払込金額等と比較するのは「払込金額等を定める時の時価」とする旨の改正を行った(法令119C)。


 従来から取扱い通達では「払込金額等を決定する日の現況」で判断することを定めている

   しかし、その一方で、従来から有価証券の取得価額について、通常要する価額に比して有利な金額とは、「その株式の払込み又は給付の金額を決定する日の現況におけるその発行法人の株式の価額に比して社会通念上相当と認められる価額を下回る金額をいうものとする」とされており(現行法規通2−3−7)、今回の法令改正前から、実務上は、払込金額等の決定日の現況を基に判断することとされていた。
 つまり、今回の法令改正は、従来から通達に明示され、実務上も定着していた「時価」の捉え方を政令事項に引き上げ明確化する趣旨であるといえ、実務に変更を生じさせるような実質的な改正ではないと考えられる。
 したがって、「社会通念上相当と認められる価額を下回るかどうか」は、時価と払込金額等との差額が概ね10%相当額であるかどうかにより判定する点(現行法規通2−3−7(注)1)、また、「払込金額等の額を決定する日の現況における株式の価額」とは、決定日の価額だけではなく、決定日前1月間の平均株価等、払込金額等を決定するための基礎として相当と認められる価額とされている点(現行法規通2−3−7(注)2)等の取扱いについては、当面、改正後も変更はないものと考えられるので念頭に置いておきたい。

 有価証券と引換えに払込みをした金銭の額及び給付をした金銭以外の資産の価額の合計額が払い込むべき金銭の額又は給付すべき金銭以外の資産の価額を定める時におけるその有価証券の取得のために通常要する価額に比して有利な金額である場合における当該払込み又は当該給付(以下この号において「払込み等」という。)により取得した有価証券・・・・・(中略)・・・・・その取得の時におけるその有価証券の取得のために要する価額  有価証券と引換えに払込みをした金銭の額及び給付をした金銭以外の資産の価額の合計額がその取得の時におけるその有価証券も取得のために通常要する価額に比して有利な金額である場合における当該払込み又は当該給付(以下この号において「払込み等」という。)により取得をした有価証券・・・・・(中略)・・・・ その取得の時におけるその有価証券の取得のために通常要する価額



(以上参考;週刊「税務通信」第2974号)
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