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M&Aニュース

                                               2007年7月26日
 


資本金1億円超の合併法人 退職給与引当金に要注意

 18年改正で、被合併法人の退職給与引当金の引き継ぎは不可

 平成14年の税制改正により退職給与引当金制度は廃止されており、退職給与引当金勘定を有する法人は、その取崩しを段階的に行っているところだが、気をつけたいのは、合併に際して、合併法人の資本の金額が1億円超であると、被合併法人が有する退職給与引当金を引き継げない点だ。
 これは、平成18年の税制改正によって、平成18年4月1日以後に行われる組織再編成においては、合併法人の資本の金額が1億円超である場合、被合併法人の退職給与引当金を引き継ぐことはできないとされたためで、資本の金額が1億円超の法人にあっては、組織再編における退職給与引当金の引き継ぎに注意を要することとなる。
 この点について国税庁では、5月18日にホームページにQ&Aによる「被合併法人が有する退職給与引当金の取崩しについて」を掲載しており、6月29日には日税連もホームページで「被合併会社が有する退職給与引当金の取崩しの留意点」を掲載して注意喚起を行っている。国税庁が示している事例では、合併法人の資本の金額が1億円を超える場合、退職給与引当金を引き継ぐことが出来ないため、被合併法人の最後の事業年度におちえ、退職給与引当金を引き継ぐことが出来ないため、被合併法人の最後の事業年度において、退職給与引当金の残額を益金計上するとされている。よって今後これに該当する事案の申告を行う場合はもちろんのことだが、既に申告を行っている場合でも、念のため確認をしておきたい。


 14年改正で退職給与引当金は廃止に

  平成14年度税制改正により退職給与引当金は廃止された。平成15年3月31日以後最初に終了する事業年度の開始時において、廃止前の退職給与引当金勘定を有している場合には、その退職給与引当金を4年間、中小法人の場合には10年間で取り崩す必要がある。
 また、この退職給与引当金勘定を有する法人が行う合併等の組織再編成に際しては、被合併法人等の使用人が合併法人等の業務に従事することとなった場合にその使用人の全部又は一部に退職給与を支給していないことを要件として、被合併法人等がその組織再編成の直前に有する退職給与引当金勘定の金額のうち一定の金額を合併法人等に引き継ぐこととされている。


気をつけたい資本金1億円超の合併

 ただし、引き続き取崩しを行っている法人で、平成18年4月1日以後に組織再編成を行う場合には注意が必要だ。これは、平成18年の税制改正により、合併法人等の資本の金額が1億円超である場合には、被合併法人等が有する退職給与引当金勘定の金額を引き継げないとされているからだ(平成18年改正令附則67による改正後の平成14年改正法令附則5)。
 この点について、国税庁ではホームページに「被合併法人が有する退職給付引当金の取崩しについて」を掲載し、その取扱いを明らかにしている。それによると、合併法人等の資本の金額が1億円超で、被合併法人が有する退職給与引当金を合併法人に引き継ぐことができない場合には、被合併法人の最後の事業年度において有している退職給与引当金を取り崩して益金に算入することとしている。
 また、日税連もホームページでこの退職給与引当金の取崩しについて注意喚起を行っており、今後の申告においてはもちろんだが、既に申告を行った場合でも、念のため確認を行っておく必要があるだろう。


(以上参考;週刊「税務通信」第2974号)
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