2007年8月20日
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インサイダー取引
上場会社は、インサイダー取引の未然防止のための内部管理体制が不十分−全国証券取引所が5月31日に公表した「全国上場会社内部者取引管理アンケート」で明らかになったもの。
例えば、インサイダー取引の防止における情報管理では、どの時点で「重要事実」が発生・「決定」したと認識すべきかが重要となる。同調査によると、その情報管理のタイミングを、「重要事実となる情報を特定の期間で決定したとき」と答えた企業が40%に上る。
しかし平成11年6月10日の最高裁判決では、「業務執行を決定する機関」を、「実質的に会社の意志決定と同視されるような意志決定を行う機関であれば足りる」とし、重要事実の「決定」については、「それ自体やそれに向けた作業等を会社の業務として行う旨を決定したことをいい、確実に実行されるとの予測が成り立つことは要しない」とした判決が出されている。
つまり、取締役会等の正式な機関決定を経なくとも、経営会議、部長会、PT等の実質的な業務執行決定機関が決定すれば「重要事実の決定」となる。40%の企業ではインサイダー取引発生の危険性が高いということだ。
実際17年の課徴金制度導入以来、インサイダー取引は増えており、最近では月1件のペースで起こっているようだ。最近の事例では、大塚家具が、重要事実を決定しながら、公表前に自社株価買をしたとして3,044万円の課徴金納付命令勧告を受けている。
(以上参考;週刊「経営財務」第2830号)
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