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M&Aニュース

                                               2007年9月03日
 


1,200万円を超えるSOの権利行使

   平成10年度の税制改正で創設された「税制適格ストック・オプション制度」(以下、適格SO)は、平成14年度の税制改正で対象者の拡大・適格要件の緩和が図られており、既に制度内容については周知されているものと思われるが、新たにSOを導入しようとする企業等では、年間行使限度額が1,200万円を超えた場合の取扱いについて疑問を抱く向きもあるようだ。
 この点、権利行使価額の総額が1,200万円を超える場合には超えた部分の金額に対応する部分のみが適格要件を満たさないこととなるのではなく、その超えることとなった権利行使のすべてについて行使時非課税の適用がないことになるので確認しておきたい。
 これは、通達等には、明文の取扱いが置かれていないものの、法律では、1,200万円を超える権利行使について「・・・当該1,200万円を超えることとなる特定新株予約権等の行使による株式の取得に係る経済的利益については、この限りでない」という規定振りで非課税規定から除外されているためだ(措法29の2@ただし書き)。
 例えば、1年間に、600万円300万円、700万円の権利行使を順に行った場合、総額は、1,600万円となるが、この場合、行使時非課税の適用がないのは、400万円ではなく、「1,200万円を超えることとなった権利行使のすべて」、すなわち、3回目の700万円全額ということになる。
 また、ケースによっては、同一者について、複数の付与契約に基づく権利行使が同一年に行われることもあるだろうが、1,200万円の判定は、SOの付与を受けた者ごとに判定するため、たとえ付与契約単位でみれば、それぞれの年間行使額が1,200万円以下であったとしても、年間で1,200万円を超えていれば、最後の権利行使分は行使時に課税を受けることになる。
 なお、年間行使額の限度は、平成14年度の改正で1,000万円から1,200万円に拡大されているのであるが、旧法に基づく権利行使は、経過措置により、新法に基づく権利行使とみなされるため(平成14年改正法附則9)、例えば、19年中に旧法と新法それぞれに基づく権利行使があった場合にも、限度額は合計で1,200万円ということになる(国税庁公表の質疑応答事例集を参照)。


(以上参考;週刊「税務通信」第2981号)
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