2007年10月11日
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国税庁 19年7月1日現在の法令通達に基づき
質疑応答事例を更新
特殊支配同族会社の合意対象給与額・報酬債権と相殺するSOの取扱い等を追加
国税庁は9月21日、ホームページに掲載されている「質疑応答事例」について、平成19年7月1日現在の法令通達に基づいて更新を行い、公表した。
質疑応答事例は、納税者からの紹介に対して行った回答の事例等から、他の納税者の参考になるものを公表しているもの。
今回追加された事例には、直近の申告実務に関連するものが多数含まれており、前提条件等が異なれば課税関係が異なる場合がある点に留意する必要はあるが、実務の参考となるので確認しておきたい。
特殊支配同族会社関連では「合算対象給付」の特例計算で3事例を追加
今回、追加された主な事例は次のとおり。
法人税では、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度における「合算対象給与額の特例」について、3事例が追加された。
同特例に係る損金不算入額の計算については、編集部にも読者からの問い合わせが数多く寄せられていることから、詳しくお伝えしているところであるが、今回追加された事例では、合算対象となる特殊支配同族会社が、新設法人等であって、事業年度が1年に満たない場合の合算特例の計算について、それぞれの特殊支配同族会社の計算の具体例が紹介されている。
特に、新設法人側の特例計算においては、合算対象となる他の特殊支配同族会社の業務主宰役員給与は、その1年に満たない事業年度に対応した期間の業務主宰役員給与であることが示されており、参考になる。
所得税ではSO関連のほか地震保険料控除等直近の申告等に関連した事例も
また、所得税及び源泉所得税では、会社法で明確化されたストック・オプションの取扱いを念頭に置いた事例が追加されているが、なかでも、金銭の払い込みに代えて報酬債権をもって相殺するストック・オプションと税制適格ストック・オプション制度との関係に関する事例が注目されよう。照会事例では、金銭の払込みに代えて報酬債権をもって相殺されるストック・オプションは、金銭の払込みをされるものと金銭以外の財産を給付されるもののいずれにも該当しないため、無償発行の場合と同様、法令に定められた適格要件を満たせば税制適格ストック・オプション制度の対象となる旨が回答されている。
この点、質疑応答事例と直接の関係はないが、報酬債権と相殺されるストック・オプションは、株式売却時の譲渡所得課税となり、給与等課税事由を生じないことから、法人税の「新株予約券を対価する費用の帰属事業年度の特例等」制度の対象外となるので留意したい。(法法54A、法令111の2@)。
その他、所得税関係では、支払利息が利息制限法の規定による制限を超えたことから、資金業者から返還を受けた過払金の取扱いや、平成19年度分の所得税から適用される「地震保険料控除」について、地震保険料と経過措置の対象とされている旧長期損害保険料の両方を支払っている場合の控除額の計算書、直近の確定申告や年末調整に関連した回答も含まれているので、併せて確認しておきたい。
(以上参考;週刊「税務通信」第2986号)
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