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                                               2007年11月02日
 


特定受益証券発行信託の細目が明らかに



未分配利益の計算は税務計算ではなく会計上の金額に

 新信託法では、従来、貸付信託等、一部の信託でしか認められなかった受益権の証券化が一般化され、いわゆる「受益証券発行信託」が新たな信託の類型として認められているが、19年度の税制改正による信託税制の整備においては、受益証券発行信託のうち、「未分配利益が信託元本総額の2.5%以下であること」等、一定の要件を満たすものを「特定受益証券発行信託」と規定し、集団投資信託に追加して分配時受益者課税とされている。
 その一方、改正法令の規定からは、「未分配利益」が、税務計算上の金額によるのか、信託会計上の金額によるのかが必ずしも明らかではなかったが、このほど、財団法人信託協会から、「受益証券発行信託計算規則」が公表されるとともに、財務省令の一部改正が行われ、未分配利益の計算は、一般公正妥当な会計慣行によることが改めて明らかにされた。


利益留保割合の計算に係る「未分配利益」は税務計算の金額ではなく
信託会計上の金額



 しかしながら、改正法の規定からは、特定受益証券発行信託の要件の一つである「利益留保割合が2.5%以下」であるかどうかを算定する際の「未分配利益」について、どのような金額を指すのかが必ずしも明らかではなく、特定受益証券発行信託が税法で規定されたものであることからすれば、税務計算上の金額ではないかと考える向きも、一部にはあったところだ。
 具体的には、法令の規定では、未分配利益の金額は、「受益証券発行信託の各計算期間終了の時における貸借対照表に記載された利益の繰越額として財務省令で定める金額」とされており(法令14の4I)、未分配利益の金額は、各計算期間のフローの金額ではなく、ストックの金額を基礎として計算することまでは明らかとなっていたが、詳細を定める「財務省令」については、改正法令の公布日時点では、未公布となっていた。
 この点、まず、信託法の施行に先立つ9月26日、財団法人信託協会が、「受益証券発行信託計算帰属」を公表し、信託に関する会計の実務慣行から発達したものの中から、受益証券発行信託の会計として一般に公正妥当と認められるものを取りまとめて示したが、その中で、法人税法における特定受益証券発行信託の計算等が、同計算規則を前提として規定されえちる旨が明らかとされている。
 また、翌9月27日には、件の財務省令が公布され、特定受益証券発行信託に係る未分配利益の計算は、税務計算ではなく、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うこと」が、税法規定上も改めて明確化されることとなったので確認しておきたい(改正法規8の3:租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令第3上(平成19年9月27日財務省令第53号))。



(以上参考;週刊「税務通信」第2989号)
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