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M&Aニュース

                                               2007年11月06日
 


資産除去債務の割引価値の算定方法を検討



ASBJ 将来CF・割引率に信用リスクを反映せず

 企業会計基準委員会(ASBJ)は資産除去債務に関する基準策定を進めている。10月12日に開催された第138回本委員会では、資産除去債務の割引価値の算定方法について審議を行った。具体的には、将来キャッシュ・フローに信用リスクの影響が含まれるかどうか、また、割引率に信用リスクを反映させるか、というものだ。意見は分かれたが、事務局を含め、信用リスクを反映させない提案を支持する意見が多かった。


 資産除去債務の割引価値の算定における将来キャッシュ・フローと割引率の関係については、次のように考え方の整理を行い審議が行われた。

将来CFに信用リスクの影響が含まれるのか 割引率に信用リスクを反映させるか
含まれる 反映させる
含まれない 反映させない
含まれない 反映させる

 会社(X)が10年後に自社の固定資産の除去を業者(Y)に行わせ、同じ10年度に代金を支払うものとする契約を現地点で締結すると仮定すると「A」の提案の考え方は次のようになる。

  • 10年後の時点で予想される支出額(見積もりから乖離するリスクを反映後)は100であるが、YはXが支払い不能になっていても10年後の資産除去処理の義務を負うのだとすれば、Yは10年後の支払い額としてXの信用リスクを反映した金額(例えば、120)を要求するはずであり、これが市場の評価を反映したキャッシュ・フローになる。
  • そのため、割引率には、リスクフリー金利(例えば、3%)に信用リスクを調整した後の率(例えば5%)を用いることになる。

 委員からは、理論的にはこの「A」の考え方が適切とする意見も出されたが、このように信用リスクを反映するのではなく、信用リスクを反映させない「B]の提案を支持する意見が多かった。「キャッシュ・フローの予想としては、この想定のほうが自然」、「信用リスクに影響されていない将来キャッシュ・フローは、信用リスクを反映しない割引率で割り引くのが整合的で、退職給付債務の測定とも整合する」という点が「B」が適切であるとする見方である。



(以上参考;週刊「経営財務」第2841号)
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