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M&Aニュース

                                               2007年11月07日
 


三角合併の税法上・会社法上の相違点




 米金融機関が日本の大手証券会社を三角合併すると公表し、注目を集めたが、ここで留意したいのは、三角合併の有効性と、税制上の適格・非適格とは全く関係がないという点だ。
 というのも、三角合併とは、親会社株式を合併対価とする吸収合併等のことだが、この場合、一定の要件の下、税法上は100%親会社株式のみを合併対価としない限り適格合併等とは認められない一方で(法法2十の八)、会社法上は、100%親会社株式のほかに金銭等を交付しても合併等を行うことが認められるという点で異なるからだ。
 例えば、A社(外国法人X社の100%子会社)がB社を三角合併により吸収合併する場合、A社がB者株主に対して、A社株式に代えてX社株式(A社の100%親会社株式)のみを交付したならば、税法上は適格合併とされ、例外的にB社株主への株式譲渡益課税が繰り延べられるとともに(法法61の2、所法57の4)、一定の要件の下、B者に対する資産の譲渡益課税も繰り延べられる(法法62の2)。つまり簿価引継ぎが認められる。一方、X社株式の他に金銭等を交付した場合は(反対株主の買取請求の対価として金銭等を交付する場合を除く)、税法上非適格合併とされるため簿価引継ぎは認められず、原則どおり、B者株主には株式譲渡駅課税が生じ(法法61の2、措法37の10)、B者には資産移転に伴う譲渡益課税が生じることになる(法法62)。
 ただし、会社法上、吸収合併の対価は100%親会社株式に限定されておらず、金銭等を交付することも認められている(会社法749@二)。そのため、このケースでX社株式の他に金銭等を交付したことより、税法上非適格となったとしても、A社はB社を吸収合併することが認められる。つまり、税法上適格であるかどうかという点は、三角合併が会社法上認められるか否かということには何ら影響しないということだ。



(以上参考;週刊「税務通信」第2989号)
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