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M&Aニュース

                                               2007年11月14日
 


金融商品時価開示の追加論点を検討
ASBJ 定量的リスク情報は任意開示


 企業会計基準委員会(ASBJ)は10月31日、第34回金融商品専門委員会を開催した。前回に引き続き、「金融商品に関する会計基準」の改正案および新設される「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」の審議を行った。会計基準および適用指針の文案審議に加え、公開草案へのコメントを受けて追加的に検討を行っている個別論点の検討を行った。定量的リスク情報を任意開示とするなど概ね結論を得た状況である。


全体的な審議を終え、今月末に正式発表へ


 10月31日に開催された専門委員会では、文案審議に加え、公開草案へのコメントを受けて議題となった論点について検討を行った。
 その論点のひとつが、保険約款貸付金の取り扱いである。保険契約が適用指針の対象外であることから、保険契約に基づく保険契約者への貸付金についても保険契約の一部を構成するものであり、適用指針の対象外と考えてよいかというものだ。審議の結果、時価開示の対象とする方向で意見が集約された。「一般の貸付金と変わらない」という理由である。
 また、今回の専門委員会まで結論が出なかった論点が「定量的リスク情報」の開示を義務付けるか否かであった。公開草案公表時にとくにコメントを求めていた論点である。
 結論としては、任意開示のまま正式公表に至りそうだ。これまでの審議においては、「コンバージェンス」の観点から国際財務報告基準(IFRS)の内容に近づけて開示を行うべき」と、開示を求める意見がある一方で、注記事項とした場合の監査の困難性を行っている企業は少数であり、一律の強制は作成者に過度の負担を与える」などと否定的な意見が多かった。
 また、任意開示とすることでIFRSと差が生じるとの懸念に関しては、IFRS第7号に市場リスクの定量的な情報が含まれた経緯を確認した。IFRSではMD&Aのような財務諸表以外での開示手段が現時点ではないことがその理由である。
 その結果、財務情報として公表することは困難であるとし、適用指針では、米国基準と同様に任意開示とする方向となった。ただし、一部の商社では重要との意見もあることから、「定量的なリスク情報を開示することは、企業情報を入手する側にとって有益なものと考えられる」と開示を促す記載を加える。


適用義務化初年度は期末から適用


 適用時期に関する規定を見直す。適用初年度の四半期については基準が適用されないことを明確化するものだ。「平成22年3月31日以後終了する事業年度末に係る債務諸表から適用する」との表現に改められる予定だ。なお、早期適用は認める方向である。平成22年3月31日以前に開始する事業年度から適用することも可能である。



(以上参考;週刊「経営財務」第2843号)
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