運営人:潟Gムアンドエーインタークロス
後援:税務研究会

M&Aニュース

                                               2007年12月03日
 


企業結合会計基準を改正へ



ASBJ 持分プーリング法の廃止などを検討

 企業会計基準委員会(ASBJ)は11月14日、第40回企業結合専門委員会を開催した。EUの同等性評価に関連して追加開示(補正措置)を提案された企業結合に係る項目について、現行日本基準(企業結合会計基準)の見直しに向けた検討をスタートした。具体的には、持分プーリング法の廃止や株式を対価とする場合の対価の測定日などについて検討を行う。早ければ年内に論点整理を公表し、平成20年後半に公開草案を、同年内に最終基準を公表したい考えだ。


持分プーリング法以外にも重要論点


 ASBJは基準見直しに向けた予備調査の結果報告(「企業結合会計に関する調査報告」)をたたき台に今後検討を進めていく方針である。持分プーリング法の適用件数は、調査報告からも僅か(3件)であることが報告されており、廃止した場合の影響はそれほど大きくないものとみられる。その他の論点、例えば、「株式を対価とする場合の対価の測定日」や「段階取得における会計処理」などの論点が実務上影響を及ぼしそうだ。このうち、「株式を対価とする場合の対価の測定日」は、企業又は事業を取得するにあたり、市場価格のある取得企業等の株式を取得の対価として交付する場合、いつの時点での株価をもって取得原価を算定すべきかという論点である、日本基準が「合意公表日前の合理的な期間における株価(株式交付日の株価がそれと大きく異ならない場合には、株式交付日の株価によることも可)」としているのに対し、国際財務報告基準および米国基準では、「取得日の時価」としている。委員からは、「理論的には合意公表日ではないか」などと日本基準の考え方を支持する意見も出されており、今後の議論が注目される。


 《検討される論点》
  • 持分プーリング法の取扱い
  • 取得企業の決定が困難な場合の取扱い
  • 逆取得または共同支配企業の形成に係る会計処理
  • 株式を対価とする場合の対価の測定日
  • 負ののれんの会計処理
  • 少数株主持分の測定
  • 段階取得における会計処理
  • 外貨建のれんの会計処理



正ののれんの償却の差異は?


 検討される論点を見ると、正ののれんが検討項目にあがっていないことに気付く。負ののれんと同様に国際的な会計基準と差異がある項目である。今回、検討されない理由は、正ののれんの償却・非償却の問題がCESRの補正措置項目として提案されていないためだ(CESRが補正措置項目としなかった理由は不明である)。
 負ののれんだけを検討するのではなく、正ののれんと一緒に議論すべきとの指摘もあるが、経済界からは「償却すべき」との意見も多いこと、また、コンバージェンスのスケジュールを考えた場合には、現時点では、議論の対象に含めないほうが早く結論が出るとの判断があったようだ。当該問題に関しては、企業結合および連結に関するその他の問題として、短期コンバージェンス・プロジェクトの後に検討することが予定されている。



(以上参考;週刊「経営財務」第2846号)
(このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)





Copyright (C) 1999- M&A Intercross Co.,Ltd , All rights reserved.
omo