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                                               2007年12月21日
 


課徴金の対象範囲を拡大、金額水準も引上げ

金融庁 来年中に金融商品取引法等の改正目指す


 金融庁は12月7日、「第5回金融審議会金融分科会第一部会法政ワーキング・グループ」を開催、これまでの審議を踏まえた報告(案)「課徴金制度等のあり方について」をとりまとめた。現行の課徴金制度について、違反行為抑止等の観点から、対象範囲の拡大や、金額水準の引上げ等を提言。また、ケースに応じて、課徴金も加算・減算できるようにする他、除斥期間も、下脳の3年から5年に延長することを求めている。
 18日開催の第一部会で、今回の報告(案)を含めた報告書が取りまとめられる。金融庁では、この報告書をもとに、来年中の金融商品取引法等の改正を目指す。なお、報告書の内容は、月内に策定する「金融・資本市場競争力強化プラン」にも盛り込まれる。

 第一部会では、金融・資本市場の強化を図るため、制度的な対応が必要となる課題を検討してきた。今回の課徴金に係る報告もそのひとつ。
 課徴金制度は、インサイダー取引等の不公正取引や開示書類等の虚偽記載に対して、刑事罰をできるだけ用いずに規則の実効性を確保し、違反行為を抑止するという観点から、平成16年の証券取引法改正で導入された。以来、同17年の証取法改正、金融商品取引法の成立において対象範囲が拡大され、現在に至っている。
 17年改正で、2年を目途として課徴金制度のあり方等を検討することが規定されていたことなどから、金融審議会金融分科会第一部会法制WGで審議されてきたもの。


インサイダー取引、”やり得”許さぬ制度を


 これまで、インサイダー取引に係る課徴金の金額は、重要事実公表日の翌日における株式等の最終価額から、重要事実公表前に購入した株式等の価額(価格×数量)を控除した額とされてきた。しかし、翌々日以降に株価が上昇した局面で利益を確定することも可能で、この場合、課徴金の額よりも、違反者が得た利益の額の方が多い事例があることが問題視されていた。報告(案)では、課徴金の額をより適切な水準へ引き上げるため、翌々日以降の価格動向も反映させることを提言している。


継続開示書類と訂正報告書の双方に課徴金


 有価証券報告書等の開示書類については、虚偽記載に係る課徴金の適切な水準への引上げの他、対象範囲の拡大が提言されている。
 具体的には、「発行開示書類の不提出による募集・売り出し」「継続開示書類の不提出」「公開買付届出書・大量保有報告書等の虚偽記載・不提出」についても課徴金の対象とすべきとしている。
 また、これまで、継続開示書類とその訂正報告書の双方に虚偽記載がある場合、調整規定により、課徴金の金額は、双方で1件分の水準とされてきたが、訂正報告書の虚偽記載に対して追徴的な課徴金を賦課できるよう、調整規定の見直しも求める。


課徴金を加算・減算できる制度求める


 課徴金について、加算・減算ができるような柔軟な制度設計も求める。例えば、繰り返し違反行為を行う者についてはあ課徴金の額を加算し、自ら違反行為を早期発見した場合には課徴金を減算するような枠組みを導入すべきとしている。



(以上参考;週刊「経営財務」第2849号)
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