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                                               2008年1月4日
 


種類株式の評価方法の考え方を示す

会計士協 「エクイティ」と「デット」に区分し、具体例も


 日本公認会計士協会(JICPA)は昨年12月13日、「種類株式の時価評価に関する検討」(租税調査会研究資料第1号)を公表した。現在、種類株式の時価評価に関する統一的な見解がないことに対応したもの。種類株式における会社法上及び税務上の取扱いを整理し種類株式の発行事例の分析を行った上で、その態様に応じた評価方法についての考え方を示している。


種類株の活用が進まず


 種類株式に関する制度導入に伴い、税制上も対応が図られており、法人税法においては時価評価額を基準に計算することが規定されている。しかし、種類株式の譲渡、あるいは非適格再編等において、種類株式の時価評価に関する一定の見解がないことから、実務が進み難い状況となっている。そこで、一定の考え方を示すこととなった。
 種類株式の発行自体が「企業価値」そのものに対しては影響を与えるものではなく、あくまで「株式価値」すなわち「時価総額」の内訳の問題であると考えられるとし、「時価総額」をいかに按分するのかと考え、評価方法を示している。ただし、種類株式は発行態様に応じて様々な性質を持つことから、下表の通り、「エクイティ」としての性質を有する場合と「デット」としての性質を有する種類株式に区分し、それぞれ他の金融商品等に転換される可能性の有無によって、評価方法を示している。


種類株式の分類 評価方法
「エクイティ」としての性質を有する種類株式・・・当該種類株式の評価額が「普通株式」の価格変動に連動するもの
【具体例】
@転換されないもの(取得請求権又は取得条項のないもの)
A「普通株式」に転換されるもの
B新株予約(引受)権、新株予約(引受)権付社債に転換されるもの
C他の「エクイティ」としての性質を有する種類株式に転換されるもの
(1)金銭又は他の金融商品に転換されない、あるいは転換される可能性の低いものについては、権利 内容の優先劣後を数値化した指標等に基づいて「 普通株式」と種類株式との権利の優劣等を数値化 して評価する。
(2)「普通株式」等他の金融商品に転換される可能 性が高い場合には、当該他の金融商品の評価額を基礎とし、必要に応じて適切なオプション評価理論を用いて評価する。
「デット」としての性質を有する種類株式・・・当該種類株式の評価額が「普通株式」の価格変動に連動しないもの
【具体例】
@取得請求権あるいは取得条項により金銭が交付されるもの
A社債、新株予約(引受)権付社債に転換されるもの
B一定の評価額(転換価額)があらかじめ決定されており、これをそのときの「普通株式」の評価額で除した株数の「普通株式」が交付されるもの
C他の「デット」としての性質を有する種類株式に転換されるもの
(1)金銭又は他の金融商品に転換されない、あるいは転換される可能性の低いものについては、上記(1)と同様に、権利内容の優先劣後を数値化した指標等に基づいて、「普通株式」と種類株式との権利の優劣等を数値化して評価する。
(2)金銭又は他の金融商品に転換される可能性が高い場合には、金銭あるいは社債等他の金融商品の評価額を基礎とし、必要に応じて適切なオプション評価理論を用いて評価する。






(以上参考;週刊「経営財務」第2850号)
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