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M&Aニュース

                                               2008年1月9日
 


連結範囲の決定指針案、1月中旬にも公表へ

ASBJ VC条項の判定要件など具体的に示す


 企業会計基準委員会(ASBJ)は昨年12月17日、「第33回特別目的会社専門委員会」を開催した。
 現在検討中の「連結財務諸表における会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針(案)」は、監査委員会報告第60号の会計上の取扱いに関する部分に対応、その内容を引き継いだ上で連結範囲の判定要件等を具体的に示す。同専門委員会は、「公開草案を速やかにまとめたい」としており、2008年1月中旬にも公表の見込みだ。


判定基準など具体的に明示


  子会社や関連会社の取扱いは従来、連結範囲の判定にあたって「監査委員会報告第60号」を実務上の指針としてきた。同専門委員会では、同60号のうち、会計上の取扱いに関する部分の判定要件などを明確にし、「連結財務諸表原則」「連結財務諸表制度における子会社及び関連会社の範囲の見直しに係る具体的な取扱い」等を運用する際の指針を検討している。
 具体的には、「他の会社等の意思決定機関を支配していないこと等が明らかであると認められる場合」や「ベンチャーキャピタル(VC)などの投資企業や金融機関の営業取引が、”他の会社等の意思決定機関を支配”に該当する場合でも、連結範囲に含めないとする要件(VC条項)」を明確にする。
 要件については現状、次の4点を挙げている。

【判定要件】
@ 売却等により当該他の会社等の議決権の大部分を所有しないこととなる合理的な計画があること
A 当該他の会社等との取引がほとんどないこと(通常の取引としての投融資の元利金に係る取引を除く。)
B 当該他の会社等の事業の種類は、自己の事業の種類と明らかに異なるものであること
C 当該他の会社等とのシナジー効果も連携関係もないこと
 これと合わせて、投資企業や金融機関が「実質的な営業活動を行っている会社等であること」、「当該投資企業や金融機関が含まれる企業集団に関する連結財務諸表上、(要件の)AからCについては、当該企業集団内の他の連結会社(親会社及びその連結子会社)においても満たすことが適当」などを明記する方向。


判定手順を確認


 「投資先である他の会社等が、さらに別の他の会社等に投資を行っている場合」の考え方を整理した。
 例えば、証券会社Xと最終投資先との間にベンチャーキャピタルYを挟む場合(2層構造)は、まず、「XとY」、そして「Yと最終投資先」のように2つの関係に分けて捉える考え方(図1)が紹介された。これによると、XがYを「連結しない」と判断するためにはXが図1に示す@からBの条件を全て満たす必要がある。Yと最終投資先についても同様に考え、それらをふまえてYと最終投資先に対するXの会計処理を検討する手順(図2)になる。図2の要点は、Y単独で見た場合には最終投資先を連結しないと判断しても、Xが最終投資先を連結するかどうかの判断は、XとY、及びそれらの、子会社を含めた企業集団とsちえ、最終投資先との関係を評価することだろう。
 こうした整理によって、Xと最終投資先の間に複数の会社を挟む多層構造の場合も同様に考えることができそうだ。
 判定要件等については表記の仕方を調整中だが、方向性の目処は立っているもよう。同専門委員会は、来年1月中旬の公表を見込んで作業を進めているところだ。









(以上参考;週刊「経営財務」第2850号)
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