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                                               2008年4月21日
 


国税庁 組織統合に伴う退職一時金で文書回答

 国税庁は同庁のHPで、財団法人日本モーターボート競走会が照会した「モーターボート競走会の組織統合に伴う退職金の打切支給について」回答した。
 それによると、全国18のモーターボート競走会とそれらが会員となって設立した全国モーターボート競走会連合会の解散に伴い、人件費の削減を念頭に置いた就業規則、給与規程及び退職金規程を策定したが、その規程により、打切支給する一時金を退職所得として取扱うことに問題ないとしたことを明らかにしている。
 これは、社団法人である全国18のモーターボート競走会と全国モーターボート競走会連合会が、改正モーターボート競走法に基づいて平成20年3月31日で解散し、その権利義務を新たに財団法人日本モーターボート競走会が承継することにかかり、各会の解散時に精算打切り支給する退職金の取扱いについて照会したもの。
 国税庁は、昨年の10月には、経済産業省の照会に回答し、「自転車競技会の組織統合に伴う退職金の打切支給について」で、打切り支給される一時金を退職所得として取り扱うことに問題ないとしたことを明らかにしているが、今回のケースでは、自転車競技会の場合と異なり、退職金に伴う一時金が、内部積立型と外部拠出型の併用による退職金制度に基づいて支給されることとなる。
 国税庁は今回の回答の中で、一時金が退職所得として取り扱われる理由として、退職に準ずる事実及び打切支給の合理性が共に存し、また、退職金規程により解散日以前の各会における勤続期間を新たな財団法人日本モーターボート競走会では勤続期間に加算しないことをあげている。
 今回の回答とあわせ、これまでに文書回答により明らかにされた組織統合に伴う退職金の打切支給の回答は、企業の合併時の一時金の支給においても、特殊な個別事情による場合はあるものの判断材料の一つの要素になるものと考えられよう。


退職に準ずる事実と打切支給の合理的な理由を認める


 昨年10月に、自転車競技会の組織統合に伴い打切り支給される一時金の取扱いが文書回答により示されたが、今回示されたのは、全国18のモーターボート競走会とそれらが会員となって設立した全国モーターボート競走会連合会が解散し、新たに財団法人日本モーターボート競走会が権利義務を包括承継する際に支払われる一時金の取扱い。
 まず、「退職に準ずる事実」については、引き続き勤務する職員の勤務体系に著しく影響を及ぼすとして、「勤務関係の性質、内容、労働条件等において重大な変動があって、形式的には継続している勤務関係が実質的には単なる従前の勤務関係の延長とは見られないなどの特別の事実関係がある」としている。
 また、「打切支給の合理性」についても、解散する各会で採用されている退職金制度が異なるため、計算される退職金の支給金額にも階差が生じることから、この点について、全職員を一律に管理し、退職金の支給金額を平準化する観点から退職金規程を定め、各会の解散時に退職金を精算打切支給がすることに合理的な理由があるとしている。


企業合併時の判断材料に


 これまでにも、自転車競技会の組織統合に伴う一時金の扱いが明らかにされているが、今回の回答とあわせ、企業合併にかかる取扱いの参考になるものと考えられる。



(以上参考;週刊「経営財務」第2862号)
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