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                                               2008年4月24日
 


事業承継円滑化法案の遺留分の特例は、公布から1年以内の施行

遺留分特例について説明会等で、制度の周知を図ることを検討

 税制面での手当ては21年度改正になるものの、中小企業の事業承継円滑化に関しては、実務家の間では関心が高い話題だ。
 去る2月5日には「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」が国会へ提出されたが、ねじれ国会の影響もあって法案の審議はいまだに行われていない状況だ。
 ただ、この法律案の主旨については大きな異論がみられないことからすると、4月以降に今国会で成立をみて、政省令が明らかとなり、それによって制度の全体像が明らかになることは間違いなさそうだ。
 この法律案では、法の施行は20年10月1日とされているが、注目される「遺留分に関する民法の特例」については、法律の公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日とされている。これは新しい制度であるこの特例の周知にある程度の準備期間が必要と考えられているためで、制度の説明会を設けることも検討されている。
 この遺留分の特例については、経済産業大臣の確認を受けてから、家庭裁判所の許可を取ることとなるが、中企庁ではその申請に必要となる書面について、様式の雛型を定めることを検討している。
 また、遺留分の算定にかかり基礎財産から除外される株式については、弁護士、公認会計士、税理士等が、その時における相当な価額として証明をしたものに限るとされているが、中企庁では、この価額について、どのように算定するかも検討することとなるようだ。


税制の手当ては21年改正で


 中小企業の事業承継円滑化の税制面での手当てについては、21年改正における納税猶予制度の創設と遺産取得課税方式の検討が予定されている。
 既に事業承継円滑化については、制度の根幹をなす「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」が国会に提出されており、施行期日は法律案の附則で平成20年10月1日と規定されている。
 そして、21年改正で行う「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」については、円滑化法の施行日に遡及して適用される予定となっている。


遺留分については説明会を開催


 円滑化法案では、法案の二章で規定されている「遺留分に関する民法の特例」が特に注目されている。これは、事業の承継に欠くことのできない自社株式を遺留分算定の基礎財産から除外できる制度であり、手続きについても、現行の遺留分放棄制度と比べて簡素化されることが予定されている。
 ただ、この法律案の目玉ともいえる「遺留分に関する民法の特例」については、法律案の附則で、法律の公布の日から起算して1年を超えない範囲内において制令で定める日から施行するとある。
 これは、民法の遺留分の特例制度が初めて設けられたこともあり、実際にこの制度を利用する経営者を実務の面でサポートすることとなる弁護士、公認会計士、税理士に制度を理解してもらう上で、10月1日の法律の施行では、制度の周知期間が短いのではないかということが危惧されていることによる。
 この点について、中小企業庁では、新しい制度の内容を理解してもらうためにある程度の準備期間が必要であるとし、制度の説明会を設けることを検討している。


申請書留の雛型を作成


 また、円滑化法案では、この遺留分の特例について、経済産業大臣に確認を得た後に、家庭裁判所の許可を受けて効力が生ずると規定されている。
 経済産業大臣の確認を受けるにあたっては、相続人全員の合意による署名又は記名押印のある申請書や、経済産業省令で規定される書類の提出が必要となる。これら申請書等の書類の雛型や形式については、中小企業庁で作成して公表することが検討されている。


評価については引き続き検討


 また、遺留分の算定にかかり基礎財産から外される株式については、弁護士、公認会計士、税理士等が、その時における相当な価額として証明をしたものに限るとされていることから、この価額の算定が実務に携わる専門家にとっては問題となる。
 中小企業庁では、この相当な価額についても検討することとなるようだ。




(以上参考;週刊「税務通信」第3012号)
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