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M&Aニュース

                                               2008年5月23日
 


東証 「上場契約違約金」を導入

議決権種類株式の上場制度も整備

 (株)東京証券取引所は4月28日、「上場制度総合整備プログラム2007」に基づく制度整備の具体案を公表した。今回の主なポイントは「上場契約違約金」の導入と「議決権に関する種類株式」(議決権種類株式)の上場要件の緩和。前者は、適時開示義務や企業行動規範などの上場規制に違反した企業に、一律1,000万円の支払を求めるもの。後者は、「議決権種類株式」の上場を新規上場時にも認めるなど、上場オプションを増やすもの。5月28日まで意見募集を行い、7月を目途に実施する予定だ。


上場規則違反に一律1,000万円の制裁金


 これまで東証の上場規則違反に対する罰則は、上場廃止の他は、改善報告書、注意勧告、公表措置などに留まり、上場廃止との差があまりに大きいことが問題視されてきた。これを踏まえ、東証では、「上場契約違約金」を導入。上場会社が上場規則違反をした場合に、一律1,000万円の制裁金を課す。上場廃止に至らない程度の上場規則違反に対して幅広く適用する予定だ。どのようなケースがこの違約金の支払に該当するのか、今後、ガイドライン等で具体例を示す。
 なお、「上場契約違反金」は有価証券報告書の虚偽記載等にも適用されるため、金融庁の「課徴金」と二重に課されることもあるが、その場合は金額を勘案するとのこと。


株主権利の尊重図るための上場要件設定


 種類株式は、平成13年の商法改正で”発行”が大幅に自由化されたが、”上場制度”に関しては制度整備が進んでいなかった。今回の「議決権種類株式」の上場制度に関する整備は、種類株式を利用した資金調達を行いたいという経済界の要望に応えたもの。
 上場できる議決権種類株式は、@無議決権株式と、A議決権の多い株式と少ない株式。既存の株主の権利を保護する観点から、以下のように既存上場会社と新規上場会社で、上場できる株式を分けている。

既存上場会社
・既に上場している「普通株式」に加えて「無議決権株式」を上場できる
新規上場会社
(1)「無議決権株式」のみ上場、又は「普通株式」と「無議決権株式」を並行して上場できる
(2)議決権の多い株式と議決権の少ない株式を発行している場合に、議決権の少ない株式のみを単独上場できる

 ただし、議決権種類株式は、通常より少ない出資割合で会社の支配権を維持する手段にもなりうるため、少数株主の保護などを図るための上場審査要件を定めている。
 具体的には、例えば、極めて小さい出資割合で会社を支配する状況が生じた場合に、「議決権種類株式」のスキームが解消できる見込みがあることや、支配株主が存在する場合には支配株主と議決権種類株式の発行者の利益相反取引が行われる場合に少数株主の保護の方策をとることができる状況にあると認められることなど。



(以上参考;週刊「経営財務」第2868号)
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