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M&Aニュース

                                               2008年5月30日
 


子会社の資産・負債は「全面時価評価」のみ

連結財表会計基準案 新たな取扱いが明らかに

 平成20年5月15日に開催された第152回企業会計基準委員会(ASBJ)では、1.企業結合専門委員会における検討状況、2.無形資産専門委員会における検討状況、3.過年度遡及修正専門委員会における検討状況、4.投資不動産専門委員会における検討状況、5.「一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針」における四半期財務諸表に関する事項についての審議が行われた。
 1.については、「企業結合会計の見直しに関する論点の整理」に関するコメントを受けての会計基準等文案の検討が行われた。
 連結財務諸表に関する会計基準」の文案では、当該基準による新たな取扱いとして、@時価により評価する子会社の資産及び負債の範囲を全面時価評価法のみとすること、A親会社の子会社に対する投資は原則として、支配獲得日の時価によること、B負ののれんが生じた場合には、当該事業年度の利益として処理することが盛り込まれている。
 なお、Aに関連して、関連会社から子会社になった場合、すなわち段階取得の場合についての議論があったが、被取得企業が支配を獲得される前において取得企業の関連会社であった場合には、その後支配を獲得するに至っても事業投資という性格は変わらず、当該被取得企業に対する投資は継続していると考えられることから、支配を獲得する直前の適正な帳簿価額と支配を獲得することとなった取引の対価となる財の時価との合計額をもって取得原価とするとの手当てがなされている。
 2.については、企業結合により取得した仕掛研究開発費につき、「分離して譲渡可能な無形資産」として資産計上する方向で検討が行われているが、一方で、従来から結合・分離基準では、「分離して譲渡可能な無形資産」として「顧客リスト」等が挙げられている。
 これに関連して、委員からは、「分離して譲渡可能な無形資産」すべてを資産計上する規定に変更した場合には、「顧客リスト」等までその影響が及ぶこととなるため、更なる検討が必要であるとの意見が出されている。
 3.については、文案の検討が行われたが、「会計方針の変更に関する表示」について、多くの開示を求めすぎではないか、企業結合専門委員会の事務負荷と得られる情報との費用対効果を考えるべきといった意見が出された。
 4.についても、文案の検討が行われた。
 文案では、注記事項として賃貸等不動産に関する損益を挙げているが、賃貸等不動産の損益のみ抽出することの実務上の負荷等の問題が指摘されていることから、当該取扱については、継続して検討されることとなった。
 また、連結財務諸表において賃貸等不動産の時価等の開示をする場合には、連結グループ内で賃貸されている不動産は、連結賃貸対照表上、賃貸等不動産には該当しないことが明示されている。
 5.については、四半期財務諸表における注記の取扱いに係る規定がなかったため、取扱いを明確化するために追加する予定であることが報告された。本件については、公開草案の手続きを経ずに議決される予定である。




(以上参考;週刊「経営財務」第2870号)
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