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M&Aニュース

                                               2008年6月04日
 


会社分割に係る試験研究費税制の計算特例の申請期間に経過措置
 
20年4月1日以降最初開始事業年度前の分割の期間は6月に

 平成20年度改正において、試験研究費の税額控除制度(措法42条の4)の上乗せ措置の規定が延長・改正された。ところで、この制度に係る比較試験研究費や平均売上金額の計算では、会社分割の場合において、税務署に申請して認定されると、分割された移転事業に係る試験研究費等の額を、受入れ先である分割承継法人での計算に移行できる。
 申請期間は会社分割の日から2月と期限が短いが、20年4月1日以後最初の開始事業年度の開始日前の分割の場合は、経過措置として6月となっている(20年措規附則15条)。
 組織再編が生じる会社の多くはこの制度を適用しているので、留意しておく必要があるだろう。


20年度改正で上乗せ措置の方法が2つとなり選択制に


 試験研究費の税額控除制度(措法42条の4)は、『(1)試験研究費の総額に係る税額控除制度(措法42条の4@』と中小企業等に適用される『(2)中小企業技術基盤強化税制(措法42条の4E』、さらに上乗せ措置として、試験研究費の増加額に係る税額控除制度(措法42条の4H)がある。上乗せ措置は20年度改正で、従来からの比較試験研究費に対して増加した分に係る『(3)増加型の税額控除制度(措法42条の4H一)』の適用期限が延長されるとともに、平均売上金額の10%よりも増加した部分に係る『(4)高水準型の税額控除制度(措法42条の4H二)』が創設され、上乗せ措置は(3)、(4)のどちらか有利な方法を選択できる。
 これら4つの税額控除制度のうち、(2)以外の制度は控除率や控除額を計算する際には、比較試験研究費や基準試験研究費、平均売上金額を利用するが、これら比較試験研究費等の額は、前期や前々期など過年度の試験研究費の額や売上金額を基に計算される。


従事割合等で人件費等が合理的な方法で区分できれば特例の適用が可能に


 ところで、試験研究費の税額控除制度では、会社分割に係る特例規定も設けられている(措令27条の4Mほか)。この特例とは会社分割にといて、試験研究費が計上されるような移転事業がある場合に、分割法人と分割承継法人の両方に適用されるもの。原材料費の消費割合などが合理的な方法(措通42の4(3)−2)によって、分割法人の試験研究費を、移転事業に係る試験研究費と、移転事業以外のものに区分できると、比較試験研究費等の計算において、移転事業に係る試験研究費や売上金額を、分割法人から取り除いて、分割承継法人の計算に含ませるという方法が適用できる。


20年改正前に認定を受けた法人に改正後も申請せずとも適用可能


 この会社分割の計算特例を利用するには、会社分割の日から2月以内に分割法人、分割承継法人がそれぞれの納税地の税務署に、分割の年月日や試験研究費の額、合理的な方法などを記載した届け書を提出し、認定を受ける必要がある。
 ただ、適用の申請期限は会社分割の日から、2月という短期間であり、例えば20年度改正施行前の20年3月初旬に分割が行われた場合には、計算特例を利用するとなると適用申請期限は20年5月初旬となってしまい、あまりにも申請期間が短い。このため、この計算特例には経過措置が設けられtおり、20年4月1日以後最初の事業年度の開始日より舞えに行われた会社分割の場合には、「6月」までと延長されている(20年措規附則15条)。
 20年3月初旬の会社分割の場合には、20年9月初旬までに計算特例の申請を行えば良いことになる。
 なお、20年改正前に既に計算特例の申請を行って合理的な方法の認定を受けた法人も経過措置として、20年度改正に係る合理的な方法の認定を受けた法人とみなされ(20年措令附則36条)、申請をせずとも特例計算で比較試験研究費等を計算できる(連結納税の場合も同様)。




(以上参考;週刊「税務通信」第3018号)
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