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M&Aニュース

                                               2008年6月23日
 


金商法改正法案が成立、課徴金制度見直し

有報の虚偽記載に係る課徴金が2倍に

 「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」が6月6日、第169回通常国会・参議院本会議で可決・成立した。公布は6月13日の予定(6月2日現在)。施行は、公布日から6ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日から(一部規定等を除く)。同法案では、課徴金制度等が見直された。金額水準が引き上げられるほか、対象範囲の拡大、加算・減算制度の導入、除斥期間の延長(3年→5年)等が図られている。例えば有価証券報告書の虚偽記載に係る課徴金額は「時価総額の10万分の3または300万円のいずれか高い方」(現行)から、「時価総額の10万分の6または600万円のいずれか高い方」(改正後)へと2倍に引き上げられる。


課徴金の金額水準をアップ、対象範囲も拡大


 今回の改正において、企業開示に関わるもののひとつが、課徴金制度のあり方。課徴金の算定方法が見直され、金額水準が引き上げられた。主な内容は以下の通りである。

◎有報など継続開示書類の虚偽記載
(現行)時価総額の10万分の3または300万円のいずれか高い方
⇒(改正後)時価総額の10万分の6または600万円のいずれか高い方
◎虚偽記載のある発行開示書類等により、有価証券を取得または売り付けた場合
(現行)募集・売出し総額の1%(株式は2%)
⇒(改正後)2.25%(株式は4.5%)
◎インサイダー取引
(現行)重要事実公表日翌日終値を基準
⇒(改正後)公表後2週間の最高値を基準
◎相場操縦
(現行)違反行為後1ヶ月の売買で確定した損益
⇒(改正後)1ヶ月の最高値を基準



有報の提出義務違反に監査報酬額の課徴金


 また、課徴金の対象範囲も拡大される。新たに対象となる主な項目と課徴金額は次の通り。
継続開示書類の不提出(有報の提出義務違反等)
⇒前事業年度の調査報酬額
(前事業年度の監査がない場合等は400万円)
(四半期・半期報告書の場合はその半額)
◎発行開示書類の不提出(届出をせずに有価証券の募集・売出し等を行った場合等)
⇒募集・売出し総額の2.25%(株式の場合は4.5%)
◎公開買付届出書の虚偽記載・不提出
⇒時価総額の10万分の1
◎相場操縦のうち仮装売買・馴合売買
⇒違反行為後1ヶ月の最高値を基準
◎相場操縦のうち安定操作取引
⇒違反行為中の平均価額−違反行為後一ヶ月の平均価額


調査前に申し出れば、課徴金は半額に


 過去5年間に課徴金の対象となった者が再度違反した場合、課徴金の額が1.5倍に増額される。一方で、当局の調査前に、以下の違反行為を報告した場合には、課徴金が半額にされる。

  • 自己株売買におけるインサイダー取引
  • 発行開示書類・継続開示書類の虚偽記載
  • 大量保有報告書の不提出

(以上参考;週刊「経営財務」第2873号)
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