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M&Aニュース

                                               2008年6月27日
 


組織再編・企業買収・資産の流動化事案に注力

国税庁 全国調査査察部長会議を開催

  国税庁はこのほど、全国調査査察部長会議を開催した。資本金1億円以上の大企業の調査事務を担当する「調査部」関係では、調査事務の充実、企業グループの組織再編等への対応、国際課税の充実が重要であることを確認し、大口・悪質な脱税事案等の告発事務を担当する「査察部」関係では、査察事務の充実、社会的波及効果の高い事案への積極的な取り組みなどについて検討した。


調査部、課税部、徴収部との連携を図る”課税戦略会議”を継続開催


 調査部関係では、課税部との連携強化が重要である点を改めて確認した。具体的には、従前から国税局調査部と課税部との連携を図るために”課税戦略会議”を定期開催してきたが、今後は徴収部も含めた上で同会議を継続し、調査における適切なマネジメントのあり方などを討議する。部や局の枠にとらわれない取り組みを行うことを通じて、税務当局全体としての様々なノウハウを活用し、調査の質の向上を狙うということだ。


若手調査員の育成のため自己評価
チェックシートを活用



 調査事務の運営面では、小規模法人には調査項目(損失等)を絞って調査を行うことで、事務運営の効率化を行う(=いわゆる特定項目調査)。特定の項目で着目すべき数値等が発見されたならば調査を継続するが、発見されないならば調査を打ち切る。メリハリのある事務運営を実施するということだ。また今後、国税職員の大量退職(団塊世代の退職)に伴って新規採用数が増加することにより、調査経験の低い若手職員が増大するため、若手職員の育成も重点項目に上がった。調査部門独自の研修回数を増やすとともに、調査能力に関する『自己評価チェックシート』などを活用し、若手職員が「現段階で自分がどの程度の調査能力を有するのか?」という点を明確に認識させる。


都市局の移転価格担当者を地方局へ送り込み
調査ノウハウを伝授



金融庁は6月6日、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」(内閣府令第36号)を公布した。XBRLを導入した新EDINETへの移行に伴い、財務諸表の様式等を見直した。主な変更点は、各項目の構成比・百分比が削除され、株主資本等変動計算書が縦並び形式に変更された点である。施行は、公布日(平成20年6月6日)から。ただし、財務諸表等の様式改正については、施行日以後に提出する有価証券報告書等に記載する財務諸表等で、直近の事業年度等が平成20年4月1日以後に開始する事業年度当であるものから適用される。


6月の第1四半期から新様式


 都市局による地方局支援も議題に上った。例えば移転価格事案の場合、これまでは東京局や大阪局などに事案が偏在し、結果的に調査経験の豊富な人材やノウハウも都市局に集中していたが、今後は地方局でも移転価格事案の増加が見込まれる。このため、都市局の移転価格事案担当者を地方局へ送り込むことを通じて、地方局に調査知識やノウハウを伝授し、地方局単体で移転価格事案に対応できるようにする。


組織再編・企業買収・資産の流動化などに今後は注力


 新たなテーマとして、企業グループの組織再編・企業買収・資産の流動化などに対応するための方策が議論された。というのも、一般的な損益取引とは異なり、資本等取引の場合にはいわゆる”増差”が生じにくく、このため事案によっては課税問題が生じるケースがあるにも関わらず見過ごしてしまう可能性もあるからだ。今後は、組織再編事案等が税法上適格であるか否かという点から、事案における個別取引の詳細までを把握することを通じて、厳正に対処していくとしている。


(以上参考;週刊「税務通信」第3022号)
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