2008年7月10日
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賃貸等不動産の時価開示基準案を議決
ASBJ 22年3月末決算から適用
企業会計基準委員会(ASBJ)は6月23日に開催した第155回本委員会において、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」及び同適用指針の公開草案を公表議決した。ASBJではこれまで、「賃貸等不動産」の時価開示の是非や対象範囲を検討。公開草案では、時価の注記を求める、「賃貸等不動産」の範囲について、B/S上で投資不動産に区分される不動産、将来の使用が見込まれていない遊休不動産、賃貸されている不動産などと規定している。適用は、平成22年3月31日以後終了する事業年度の年度末に係る財務諸表から。当該事業年度末以前の事業年度の期首から適用することも可能だ。
●対象は投資不動産・遊休不動産・賃貸不動産等
「賃貸等不動産」とは、棚卸資産に分類されている場合を除き、賃貸収益またはキャピタル・ゲイン獲得を目的として保有する不動産。具体的には、次の(1)〜(3)の不動産が含まれる。
(1)B/S上で投資不動産に区分される不動産
(2)将来の使用が見込まれていない遊休不動産
(3)上記以外で賃貸されている不動産
さらに、「将来において賃貸等不動産として使用する予定で開発中の不動産」、「継続して賃貸等不動産として使用される予定で再開発中の不動産」、「賃貸不動産として保有しているが一時的に借り手がいない不動産」なども含まれる。
ただし、@ファイナンス・リース取引の貸手における不動産や、A物品の製造・販売、サービスの提供、経営管理に使用されている不動産については除かれる。
なお、Aの用途で使用される部分と、賃貸等不動産として使用される部分で構成される部分を賃貸等不動産に含める。が、賃貸等不動産として使用される部分の割合が低いと考えられる場合は、賃貸等不動産に含めないことも可能だ。
●当期末における時価の注記が必要に
賃貸等不動産を保有している場合は、賃貸等不動産の「概要」・「B/S計上額及び期中における主な変動」・「当期末における時価及びその算定方法」・「損益」を注記する。ただし、賃貸等不動産の総額に重要性が乏しい場合は、注記を省略することができる。
賃貸等不動産の当期末における時価とは、観察可能な市場価格に基づく価額をいい、市場価格が観察できない場合には、合理的に算定された価額をいう。合理的に算定された価額は、「不動産鑑定評価基準」(国土交通省)による方法または類似の方法に基づいて算定する。
◆賃貸等不動産の時価開示の流れ◆
@ 対象物件の特定
↓
A時価を勘案して、総資産に対する割合を算出
(明らかに重要性が乏しい場合は省略可)
↓賃貸不動産の時価÷(総資産+賃貸等不動産の含み益)
B賃貸等不動産の総額に重要性が乏しいか判断
↓重要性が乏しい場合は開示不要
C<時価の算出>個別物件ごとの重要性判断
↓
D 時価の開示
(以上参考;週刊「経営財務」第2875号)
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