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                                               2008年8月7日
 


物納財産の選定、条件整備の事前対策がより重要に

”とりあえず物納”なくなり物納申請の件数は大幅に減少

 国税庁が7月1日に公表した平成19年度相続税の物納処理状況によると、物納申請は平成18年度の1,036件を大きく下回る383件であることがわかった。
 物納申請は、一時期は年間1万件を超えたこともあった。その後の地価下落や取得費加算特例の創設などで減少してきたが、都市部を中心に一部の地価が上昇している近年では、売却の選択も要因と考えられ、申請件数は16年度3,065件、17年度1,733件と減少してきている。しかし、今回はこれまでよりさらに大幅に減少しているともいえそうだ。


物納申請件数の減少要因は


 物納の申請件数が減少している背景には、土地が路線価より高く売却できるようになって物納選考が弱くなっていることや、相続財産に占める金融資産等のウエイトの変化などが指摘されるが、要因のひとつには平成18年4月以降の相続から適用されている新しい物納制度も考えられそうだ。
 18年4月1日以後に開始した相続の相続税申告書、物納の申請期限は19年2月1日以後となってくる。今回明らかとなった数字は19年4月1日から20年3月31日までの間のもので、新しい物納制度下で申請件数が多く含まれているからだ。
 地価が上昇していれば売却等の選択が可能になってくるため、物納制度の改正だけで申請件数が大幅に減少したとは単純にはいえないものの、物納制度が厳格化されたとみる向きもあるところだ。


物納制度の明確化で見極め重要に


 平成18年度の相続税法改正による物納制度の見直しでは、物納不的確財産の明確化、審査期間の法定化など、手続きの円滑化、迅速化が図られたが、事前の検討がより重要になり、要件整備も短期間で行われなければならなくなるなど、計画的に対処する必要性がましたとの指摘があった、
 物納制度の改正によって、手続きが何年もかかるようなことはなくなるが、要件整備までの諸費用や納付までの利子税、却下された場合のリスクなども考慮する必要があり、とりあえず物納申請をしておくといったことはできなくなったということだ。
 したがって、これえまで以上に事前の相続・納税資金対策が重要となるといわれる、相続開始の前から、物納財産の選定、測量や境界確認などさまざまな準備をしておく必要があるということだ。物納するための準備は売却する場合と同じものといえるため、物納か売却かの見極めも重要となる。





(以上参考;週刊「税務通信」第3025号)
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