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M&Aニュース

                                               2008年8月26日
 


遺産取得課税方式と小規模宅地特例

 来年度の税制改正で創設される見込みの事業承継税制とあわせて、相続税の課税方式を”遺産取得課税方式”へと改める方向で現在検討が行われている。
 現行の相続税額は、@土地や建物など、相続財産の課税価格の合計額を計算し、Aその合計額から基礎控除額「5,000万円マイナス(1,000万円×相続人数)」をマイナスして課税遺産総額を計算し、Bこの課税遺産総額を法定相続分で按分した額に一定の相続税率をかけ、これらを合計して相続税の総額を算出し、C相続税の総額に各人が相続した財産の割合を乗じて、各人の相続税額を算出する仕組みとなっている。
 しかし、遺産取得課税方式は、相続等により財産を取得した者ごとに基礎控除額を設定し、基礎控除後の課税価格に税率を乗じて税額を計算するというものだ。基礎控除は遺産から控除するのではなく、財産の取得者ごとに控除する仕組みが想定されている。
 この遺産取得課税方式が適用された場合、現行の税額軽減の特例措置、例えば「小規模宅地特例」の適用関係がどうなるのか注目される。小規模宅地特例とは相続等によって取得した財産のうちに被相続人等の事業の用や居住の用に供されていた宅地等がある場合には、その宅地等のうち一定の面積までの部分についての相続税の課税価格に算入すべき価額を、宅地等の価額の20〜50%に軽減するというものだ。
 この小規模宅地特例が、仮に、相続税の課税方式が遺産取得課税方式となったあ後、小規模宅地を相続した者だけに適用されることになると、特定の者だけ相続税の負担が大きく軽減されることが考えられる。
 そのため、軽減措置について相続した財産の比率で按分する方法などの方式も検討される可能性もあろう。いずれにせよ、相続税の計算が大幅に変わる見込みとなっているので今後の動向に注目だ。




(以上参考;週刊「経営財務」第2877号)
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