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M&Aニュース

                                               2008年8月28日
 


非営利型法人の取扱い中心に「公益法人税制」で新設通達

国税庁 平成20年度改正対応で法人税基本通達の一部改正

 国税庁は、7月14日、平成20年度の法人税関係法令の改正に対応した法人税基本通達の一部改正を公表した(平成20年7月2日付「法人税基本通達等の一部改正について)課法2−5、課審5−181)。

 今回公表されたのは、法人税法本法の改正に係る法人税基本通達及び連結納税基本通達の一部改正で、公益法人税制の抜本改正がなされた。


◆公益法人税制では「非営利型法人」の要件等に係る取扱いを整備


 国の公益法人制度改革は、本年12月1日の「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」の施行によりスタートするが、税制面については、既報のとおり、20年度税制改正で手当て済みで、今回の通達改正でも多くの取扱いが新設されている。
 新しい公益法人税制では、「公益が一般か」という私法上の区分とは別に、一般社団・財団法人のうち、非営利性が徹底されている法人や共益的活動を行う法人を、「非営利型法人」と規定し、収益課税としている。
 非営利型法人の要件の一つに「特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを決定し、又は与えたことがないこと」があるが、新通達では、この「特別の利益を与えること」の意義について、法人が特定の個人又は団体に対し、その所有する土地、建物その他の資産を無償又は通常よりも低い賃貸料で貸し付けていること、等、6つの例を掲げており、加えて、これらの「特別な利益を与えること」は、収益事業からのみならず、収益事業以外の事業からの供与等も対象となるとしている(基通1−1−8:新設)。
 また、非営利型法人となる「会費収入により会員に共通する利益を図るための事業を行う法人で、事業運営を行うための組織が適正であるもの」(法法9の2ロ)については、政令で定められた7つの要件のすべてを満たしている必要がある(法令3A)。
 そのうちの一つに「主たる事業として収益事業を行っていないこと」があり、通達では、主たる事業は、事業の態様に応じて、収入や費用等の「合理的指標」を総合的に勘案し、「合理的指標による収益事業以外の事業の割合が概ね50%を超えるかどうか」により判定することを例示している。
 この判定については、事業内容に変動等がなければ、事業年度開始の日において、前事業年度における合理的指標による収益事業以外の事業の割合が概ね50%を超える時は、主たる事業としての収益事業を行っていないとして差し支えないとの「ただし書き」による判断基準が示されているが、一方で、このただし書き判断は、唯一の判断基準というわけではないことを注書きで示してもいる(基通1−1−10:新設)。
 そのほか、非営利法人の要件に関しては、「理事に係る親族等の割合が3分の1以下であること」(法令3@四)について、割合に関する判定は、判定時の現況によることが原則であるとしつつ、理事の退任があった場合には、相当期間内に理事の変更等が行われていれば、必ずしも判定時点を固定的に捉える必要はないとの柔軟な取扱いの例も示されている(基通1−1−11:新設)。
 一方、新しい公益法人税制では、「公益法人等」から「普通法人」に移行する場合やその逆のケースで、所得範囲の異動が生じるため、「みなし事業年度」の規定が整備されている(法法14二十二)。
 そこで公益法人等が普通法人に「該当することとなった日」とは、いつかが問題となるが、通達ではこの点が明らかとされている。例えば、「非営利型法人が普通法人に該当することとなった日」とは、非営利法人の要件を満たさないこととなった日、すなわち、「法令第3条第1項各号又は第2項各号に掲げる要件のいずれかに該当しないこととなった日」とされている(基通1−2−6:新設)。
 また、みなし事業年度につちえは、特例民法法人(現行の社団・財団法人)が、公益社団・財団法人又は通常の一般社団・財団法人に移行した場合の事業年度の期間に係る「経過的取扱い」が置かれている((経過的取扱い(1)(2))。




(以上参考;週刊「税務通信」第3026号)
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