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M&Aニュース

                                               2008年9月11日
 


東証 成長企業向け新市場の制度概要試案を公表

  (株)東京証券取引所グループは7月29日、ロンドン証券取引所(LSE)と共同で成長企業向け新市場の制度概要試案を公表した。新市場は、本年6月に成立した改正金融商品取引法に盛り込まれた「プロ向け市場」を活用して設立されるもの。試案によると、同市場では、英文開示や国際会計基準を認める他、四半期開示や内部統制報告書の作成は求めない。規制を最小限とすることで日本及びアジアの成長企業を呼び込みたい考えだ。なお、新市場では「Nomad制度」を採用。上場には、上場適格性の評価から上場後の継続的なアドバイス等まで”後見人”的な役割を担う「J−Nomad」の確保が必要となる。東証は、改正金商法の施行を12月に見据え、年明け後の営業開始を目指す。


◆ 改正金商法で導入の「プロ向け市場」を利用


 本年6月13日に公布された改正金融商品取引法では、投資家をプロに限定した自由度の高い市場の設立が可能となった。
 これを利用して設立する新市場では、プロ(特定投資家)に流通が限定される有価証券についての新たな開示制度が適用される。具体的には、開示書類の様式、言語、会計基準等は法定されず、市場開設者が定める。金融庁への開示書類提出も不要だ。ただし、虚偽記載、インサイダー取引に対する規制、大量保有報告制度、TOB制度等は、現行の上場有価証券に対するものと同様の規制・制度が適用される。
 なお、特定投資家とは、@適格機関投資家、A上場会社、B資本金5億円以上の株式会社、C上記以外の法人、D純資産額及び金融資産3億円以上かつ1年以上の取引経験のある個人。CDについては、証券会社への申し出、承諾により特定投資家とみなされる。


◆ 国際会計基準の適用も認める


 試案によると、新市場への上場にといては、日本基準の他、米国基準、国際会計基準を採用することも可能。また、それらと「同等であることをJ-Nomadと公認会計士等が、合意の上、適切に判断した基準」とすることもできる(この場合には、上記3基準のいずれかとの差異を開示(いわゆる調整開示)する)。
 なお、その他主な上場要件は以下の通り。

  • 自社を担当するJ-Nomadを確保している。
  • 新規上場申請書類(有価証券報告書に準じたもので上場承認時に公表)に虚偽の記載がない。
  • 直前年度の財務諸表について、公認会計士等による監査証明(「無限定適正意見」又はこれに準じたもの)が添付されている。
  • コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制が適切に整備され、機能している。


 英文開示もOK


 上場後は年2回以上の決算情報開示が求められる。ただし、四半期開示の実施は任意で、金融商品取引法上の内部統制報告書の作成義務もない。開示言語は英語を選択することも可。
 なお、年次及び中間時の決算情報開示の際には、公認会計士等の監査若しくはこれに準じたものを受けた証明を付すことが求められる。




(以上参考;週刊「経営財務」第2881号)
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