運営人:潟Gムアンドエーインタークロス
後援:税務研究会

M&Aニュース

                                               2008年9月26
 


 中企庁では事業承継税制の猶予税額が免除される場合を具体的に

  経産省・中企庁 税制改正要望で海外子会社の配当の
  益金不算入制度等を要望

 
 経済産業省ならびに中小企業庁は8月27日、平成21年度の概算要求等を公表した。この中の平成21年度税制改正要望において、中企庁では、同年度改正で創設される事業承継税制に関して、制度を利用して猶予された相続税額が免除される場合の具体化など確実な制度化を図ることや、人材投資促進税制などの政策税制の延長等を要望に挙げている。
 一方、経産省では、『世界経済の成長の果実の取り込みと国内の豊かさに結びつける好循環の確立』『資源高時代に対応した低炭素社会の実現』などをポイントとし、国外所得免除方式に係る「海外子会社からの配当の益金不算入制度」や、CO
削減を図るための「自動車関係諸税のグリーン化」等を要望している。


◆ 会社倒産した場合等の免除について具体化を要望


 まず、中企庁では、「中小企業の事業承継税制の確実な制度化等」、「地域コミュニティそ担う商店街の活性化に向けた税制支援」や各種政策税制の延長等を要望している。
 平成21年度改正で盛り込まれる事業承継税制では、自社株式の課税価格の80%が納税猶予されるが、要望では確実な制度化等を図るために事業継続期間5年間以降の猶予された相続税額が免除される場合の具体化と、株式の相続時清算課税に係る税制措置を講ずることを挙げている。
 事業承継税制での相続税額の免除の具体化では、後継者の死亡以外に、「会社が倒産した場合」、「後継者の次の後継者に納税猶予対象株式を贈与して事業継続を行う場合」、「納税猶予株式を譲渡時において譲渡時の時価よりも納税猶予額が下回る場合」について、課税の公平性を鑑みながら整理すべきとし、株式の相続時清算課税では、生前贈与を促進するための措置を講ずることとしている。


◆ 外国の有限責任組合員に対しては非課税に


 経産省では、『世界経済の成長の果実の取り込みと国内の豊かさに結びつける好循環の確立』として4つの改正要望を出しているが、その1つに、海外子会社の利益の国内環流に対する障害を取り除くための国際租税改革がある。
 この海外子会社の利益の国内環流の問題については、20年度の与党税制改正大綱の検討事項として取り上げられており、現在、日本は”全世界所得方式+外国税額控除制度”を採用しているが(法法69条)、この制度は日本との法人税率の差分に対し課税されること、外国税額控除制度の複雑さであること等の問題がある。このため、OECDの加盟国の多くが採用し米英も移行を検討している、海外所得を国内で課税しない”国外所得免除方式”を恒久措置として、改正意見に挙げている。
 具体的には、「海外子会社からの配当の益金不算入制度」を創設して、制度については対象所得を海外子会社からの配当のみとし、適用会社を出資割合が25%以上であること、益金不算入額については受取配当額の一定割合など今後実態を踏まえて検討することとしている。
 この制度とは別に、「海外からの投資資金をベンチャー企業育成や事業再生等に呼び込む税制の創設」を掲げていて、@具体的には1郷PEでも出資のみを行う有限責任組合員については、米英等の国にならい国内源泉所得を非課税とすること、Aいわゆる事業譲渡類似課税制度(所法164条、所令291条E)の、課税対象の判定単位を組み合い単位から17年改正前の組合員単位に変更することを要望している。
 ほかには、産活法関連税制(措法44条の3、措法80条、地方附則11条の4)と鉱工業技術研究組合に係る研究開発関連税制(措法66条の10)の延長や拡充等を求めている。





(以上参考;週刊「税務通信」第3032号)
(このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)






Copyright (C) 1999- M&A Intercross Co.,Ltd , All rights reserved.
omo