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M&Aニュース

                                               2008年10月02
 


 JICPA 「インサイダー取引Q&A」を公表

 内部管理体制整備の参考に
  

 
 日本公認会計士協会(JICPA)は9月4日、「インサイダー取引に関するQ&A」を公表した。JICPAは今年3月、公認会計士によるインサイダー取引事件を受けて会長通牒を発出、監査事務所に対して対策をもとめていた。今回公表のQ&Aも事件を巡る対応の一環。協会内に設置した「インサイダー取引防止のための検討プロジェクトチーム」がまとめたもので、インサイダー取引規制の遵守に向けて、監査事務所の従業者が留意すべき事項等をQ&A形式で整理した。


◆ 用語の確認と管理体制などを例示


 JICPAは「Q&A」で、インサイダー取引規制の概要とともに、公認会計士が同規則に違反した場合の処分等について説明。「秘密を守る義務の遵守は、公認会計士としての職業の根幹であり、業務提供先の未公開の情報の取り扱いには細心の注意を払う必要がある」とし、「会計事務所は、従業者も含めインサイダー取引規則に違反することがないよう」内部管理体制の整備・運用を求めるなど、協会の考え方を示した。

 文書の構成は以下の通り。

@インサイダー取引について公認会計士及び会計事務所の従業者が留意すべき点(10項目)
A会計事務所等が内部管理体制を整備・運用する際の参考例(6項目)
B参考資料:用語説明などの補足
「監査事務所といっても大手法人から個人事務所まで様々、インサイダー取引についての理解度も異なる」のが現状で、こうした状況を踏まえて、「Q&A」では「何がインサイダー取引に該当するか」や「対象となる重要事実」、「会社関係者」等について詳しく解説している。
 また、管理体制の整備・運用の参考例として、「会計士事務所等構成員の特定有価証券等の保有について」などを記載。特定有価証券等の取引に関する規定の策定や保有状況の把握、事務所構成員への周知等を指摘した。JICPAは「これらの例示を参考に、業務内容や規模等に応じて適切な対応を望む」としている。


◆ 金融庁要請への対応も準備中


 公認会計士が関与したインサイダー取引事件についてJICPAは3月18日に会長通牒を発出、会員に対して内部管理体制の整備や職業倫理研修の確認など再発防止に向けた取組みを要請していた。これに対して金融庁は、JICPAに@各監査事務所の実態把握、A9月末までの同庁への報告、B取組が不十分な事務所への指導、などを要請している。
 同庁の要請を受けてJICPAでは、法人や個人など会計士に対する調査を実施したところ。現在、調査内容のとりまとめを行っているという。

<インサイダー取引>
 インサイダー取引は、会社関係者が、その会社の株価に大きな影響を与える公表前の重要情報を利用して有価証券等の売買等を行うことで利益をあげる取引のこと。金融商品取引法により禁止されている。
 今年3月、公認会計士が関与した事件では、金融庁から同会計士に対して「2008年4月16日から1年6ヶ月の業務停止処分」や「134万円の追徴金納付命令」が出された。



(以上参考;週刊「経営財務」第2885号)
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