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M&Aニュース

                                               2008年10月23
 


 「段階取得」をめぐり、賛否両論

 企業結合専門等、公開草案へのコメントを検討
        

 平成20年10月2日に開催された第161回企業会計基準委員会(ASBJ)では、1、企業結合専門委員会における検討状況(公開草案に対するコメントへの対応等)、2.投資不動産専門委員会における検討状況(公開草案に対するコメントへの対応等)、3.特別目的会社専門委員会における検討状況、4.1株当たり利益専門委員会の設置についての審議が行われた。

1.については、公開草案に対するコメント紹介とその対応についてである。
 公開草案では、株式を取得の対価とする場合の取得の対価となる財の時価につき、企業結合日における時価を基礎として算定することとしているが、取得日直前に株価が乱高下することもあり、取得日を含む一定期間の平均株価とする等の考慮をすべきではないかとのコメントがあった。これに対しては、国際的な会計基準と同様の扱いとするため公開草案からの変更は行わない旨の説明があったものの、委員からは異常な株価となった場合の対応を考える必要はないかといった意見も出されている。
 「段階取得」における会計処理については、多くのコメントが寄せられている。「関連会社を支配獲得した場合も支配獲得時の時価で評価すべき」、「例外的な扱いを残すことによる国際的な会計基準とのコンバージェンスへの将来的な影響(実務負担)が生じる恐れがあることから時価による選択適用も認めるべき」、「投資の連続性を考慮して例外的扱いを維持すべき」といった公開草案に対する賛否両方のコメントが寄せられている。
 この他、「少数株主損益調整前当期純利益」を新たに表示することに関しては、複数の委員から十分に審議すべきとの意見があった。

2.についても、公開草案に対するコメント紹介とその対応についてである。
 「賃貸等不動産として使用される部分の割合が低い」場合や「賃貸不動産の総額に重要性が乏しい」場合の割合や重要性の判断基準を求めるコメントが多くあったが、企業実態に応じた各企業での判断を求めている。

3.について、先に公表されたプロジェクト計画表では、「連結の範囲」をその項目として取り上げているが、支配の概念等、我が国での取り扱いがIFRSと相違していること等から、IASBでの議論を踏まえ、平成21年第1四半期に論点整理を公表することを予定している。
 支配の定義の見直し、組合及び信託の取り扱いについての検討、一定の要件を満たすSPEについて、その出資者の子会社に該当しないものと推定する取り扱いの継続または削除の検討等が内容とされる見込みである。

4.については、IASBとFASBとの間の短期コンバージェンスの取組として、1株当たり利益に関する国際的な会計基準の改正案がコメント募集に付されているが、これに対するコメントの検討及び国内基準の整備を行うため、改めて1株当たり利益専門委員会を設立し、検討を開始することが報告された。
 平成21年半ば頃までに公開草案公表を予定している。





(以上参考;週刊「経営財務」第2889号)
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