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M&Aニュース

                                               2008年10月29
 


 自己株取得規制を年内に限り緩和
         
 1日の買付数量上限を従来の4倍に


 「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令の特例に関する内閣府令(平成20年内閣府令第61号)」(以下、内閣府令という)が10月14日に公布、同日付で施行された。適用期間は本年12月31日まで。
 同内閣府令は、10月初旬の株価急落を受け、上場会社の自己株取得ルールを年内に限って一部緩和したもの。自己株の取得を促すことで、市場の安定を図る。
 具体的には、「直近の4週間の1日平均売買高の25%まで」としていた1日の買付数量の上限を、「直近4週間の1日平均売買高の100%まで」に引き上げている。また、「取引終了の30分前まで」としていた買付時間に係る規制は撤廃された。


◆ 急激な株価下落を受け、麻生総理が指示


 米国のサブプライムローンに端を発した金融危機により、9月15日に大手証券会社リーマン・ブラザーズが経営破綻した。その影響は日本にも波及し、日経平均株価は10月2日(同月1日の終値は11,368円)から7日続落。7日間のうちに合計3,092円(約27%)下落した(同月10日の終値は8,276円)。
 こうした状況を受け、中川昭一財務・金融担当大臣は、「我が国の金融システムは相対的に安定しており、セーフティネットも十分に整備されている」としたものの、「最近の急激な株価下落が我が国の金融や実体経済に与える影響については、高い警戒水準の下でこれをフォローしていく」と発言。麻生太郎内閣総理大臣からの指示を踏まえ、当面、以下の対策を講じることを表明した。

(1)市場安定の観点から、自己株取得規制の緩和を直ちに実施する。
(2)取引所による空売り情報開示の拡充などを早急に検討・実地する。
(3)政府等が保有する株式売却について、市中売却の一時凍結を検討・実施する。また、日本銀行においても、その保有株式につい   て同様の検討を行うことを期待する。

今回の内閣府令は(1)に当たるもの。10月10日の先進7カ国財務省・中央銀行総裁会議(G7)を受け、迅速に具体化された。


◆ 買付時間の規制を撤廃、終了時刻まで可能に


 従来、上場会社による自己株取得については、相場操縦防止の観点から、以下の4点の規制が設けられていた。

@1日の買付数量の上限⇒直近4週間の1日当たり平均売買高の25%
A買付時間⇒金融商品取引所の取引終了時刻の直前30分間は買付を禁止
B買付価格⇒直近の売買価格を超えない価格
C証券会社数⇒1日1社のみを通じた買付け

このうち、@1日の買付数量の上限について、内閣府令では、「直近の4週間の1日平均売買高の100%」に引き上げることとしている。A買付時間については、規制を撤廃し、金融商品取引所の取引終了時間まで自己株の買付けを行うことが可能とされた。
 なお、これらの規制緩和は、本年10月14日から同12月31日までの時限的なものである。




(以上参考;週刊「経営財務」第2890号)
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