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M&Aニュース

                                               2008年11月06
 


 個人端株主と端株の一括処分
 
   


 来年1月から実施予定の株券電子化では、会社法施行後も経過措置で存続していた端株は電子化できないため、上場会社は端株を消却させる対応に迫られている。

 端株消却で想定される処理方法は2つあり、1つ目は「株式分割と単元株制度を導入する方法」で、この方法は端株を整数株にすること。株主に影響がないため、主流の方法のようだが、発行済数式総数が増大する欠点がある。現状の株式総数増加を防ぐのが、もう1つの「端株の買増請求、買取請求と一括処分の方法」で、この方法は端株そのものを消却等すること。ただ、金銭等のやり取りがあるため、端株主に課税上の影響が出る可能性が起こりうる欠点がある。

 後者の方法では、端株主の買取請求等がない場合において、上場会社側は、請求のない端株主の端株について各株主の所有端株の株式数総数を市場価格で買い受けして、買い受け額を各株主の所有端株数に応じ金銭交付する一括処分を行う(会社法86条、旧商法220条)。この一括処分の処置が自己株式の取得に当たるため、一定の要件に該当すると、端株主への金銭交付が税務上、みなし配当に該当し、源泉徴収が行われることになる(所法25条、所法181@)。一定の要件とは、合併や自己株式の取得等により株主が会社から金銭等の交付を受けた際に、その交付額が交付対象株式に係る資本金等の額を超えること。

 例えば、市場価格1株20万円で端株総数5株(計100万円)、端株総数に係る資本金等の額が25万円の場合、資本金等の額を超過した75万円部分がみなし配当の対象となる。この場合で、ある端株主の端株数が0.6株のケースでは、9万円(=75万円×(0.6株/5株)がみなし配当に相当する額となる(所令61条A)。

 なお、上場株式等に係る配当等の源泉徴収税率は所得税と個人住民税併せて10%で、上記のケースでは9千円が配当所得税額として、徴収される(措法9条の3、地法23条@十五、71条の28、地法附則5条の3)。






(以上参考;週刊「税務通信」第3039号)
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