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M&Aニュース

                                               2008年11月13
 


   
  第163回 金融危機対応の方策打ち出す

     


 平成20年10月28日に開催された第163回企業会計基準委員会では、金融危機対応についての審議が行われた。

 テーマは、1.実務対応報告公開草案「金融資産の時価の算定に関する実務上の取扱い(案)」のコメント対応及び文案検討と、2.論点整理「債権の保有目的区分の変更に関する論点の整理」の2点。

 金融危機対応は、公正価値測定に関する明確化といった米国FASB及びSECの動向や、IASBの売買目的区分から他の区分への振替を認めることを内容とした金融商品に係る会計基準の改正といった動きを受け、急遽、検討が開始されたもの。

 前回の委員会では、金融資産の時価の取扱いに係る公開草案が公表されている。

 コメントには、公開草案中の「売手と買手の希望する価格差が著しく大きい金融資産」、「時価は、経営陣の合理的な見積に基づく合理的な価額」といった場合の記述について、具体的な判断基準を求めるものが多くあった。

 特に、その発行額に対して取引量の極めて少ない15年変動利付国債が「取引所若しくは店頭において取引されているが実際の売買事例が極めて少ない金融資産」や「売手と買手の希望する価格差が著しく大きい金融資産」に該当するのかといった。個別商品の現況が実務対応報告の想定している状況にあたるかとの確認が目立った。

 これらの対応については、いずれもその適用に当たり、個々の実情に照らした合理的な判断を行うとしており、変動利付国債についても、当該合理的な判断如何により経営者による合理的な見積りに基づく合理的に算定された価額やブローカーから入手した価格が排除されるものではないとされた。

 また、公開草案は、実務対応報告の適用に関して、財務諸表利用者の理解に資すると考えられる場合にはその概要について注記することとしていたが、その具体的な内容を示すべきではないかといった意見があった。これについては、追加情報として、日本公認会計士協会・監査委員会報告第77号「追加情報の注記について」に準じて取り扱うことになろうとの説明があった。

 審議の後、公表の議決が行われ、同日付で実務対応報告第25号として公表されている。
 
 保有債券の保有目的区分の振替については、前回の委員会で、その検討の必要性の有無も含めて検討することとしたが、その後、当該事項の取扱いに関する質問が多く寄せられ、市場関係社の意見を聞きながら対応を進めるため論点整理を公表することとして、その内容についての検討が行われた。

 論点整理は、論点1「売買目的有価証券からその他有価証券への振替」、論点2「売買目的有価証券から満期保有目的の債権への振替」、論点3「その他有価証券から満期保有目的の債権への振替」、論点4「仮に振替を見直した場合の適用時期」の4つを内容としている。審議の後、公表の議決が行われ、論点整理についても同日付で公表されている。





(以上参考;週刊「税務通信」第3040号)
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