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M&Aニュース

                                                2008年12月19日             
 


   金融庁 コーポレート・ガバナンスで論点を提示
    
第三者割当増資やMSCBなどに一定の制限も

      

  金融庁・金融審議会は12月4日、第17回「わが国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ」を開催した。同スタディグループでは、昨年(2007年)に打ち出した「金融・資本市場競争力強化プラン」を踏まえ、「上場企業などのコーポレート・ガバナンスを巡る論点について、幅広い観点から検討」を進めている。前回の議論を踏まえ、事務局が@市場におけるエクイティ・ファイナンスやグループ化等、A取締役や監査役などのガバナンス機構、B機関投資家による議決権行使や会社と投資家との間の対話の充実など投資家行動等、の3つの論点を提示。今回は、@について議論が行われた。


 
会社法の改正を求める意見も

  今回の会合では、「第三者割当増資」や「MSCB」等、上場企業のエクイティ・ファイナンス(株主資本の増加をもたらす資金調達)のあり方などについて議論が行われた(表参照)。
  これらのファイナンスは、株式の希薄化を伴い、支配権の異動が起こる場合もある。しかし、日本の会社法の下では、原則として取締役決議のみで行うことができる。株主の利益が一方的に損なわれる危険性があるが、近年、市場でこのようなファイナンスが頻発しているという。
  これについて、出席した委員からは、「臨時株主総会を開いて株主の意見を聞くべき」、会社法による規律が「うまく機能していない」ことから「会社法を見直す必要がある」、などの意見が出された。


●エクイティ・ファイナンス等をめぐる主な論点

検討項目 内容
新株式の発行 市場において、支配権に影響を与えるような大規模な第三者割当増資が頻発している。このような第三者割当増資が、株主の直接の関与なく取締役会決議のみで行われることについて、株主の権利保護等の観点からどう考えるか。
MSCB等の発行 株主の関与なく取締役会決議でMSCB等が発行され、既存株主の株式の希薄化を招いているとの指摘があるが、株主の権利保護等の観点からどう考えるか
キャッシュアウト 支配権の移転やMBO等の過程において、株式併合と新株予約権発行の組み合わせや種類株式の活用等により、上場会社の既存株主がキャッシュアウトを強制されるケースがあるが、株主の権利保護や株主の平等、流通市場の円滑性確保等の観点からどう考えるか。

●グループ化等をめぐる主な論点

企業集団におけるガバナンス 子会社の業務執行又はそれに対する管理に関して、親会社株主による子会社・親会社の役員等に対する監督権限は十分なものと考えるか。
親子上場 親子上場の是非、あるいは親子上場の場合の、子会社の独立性を確保し、親会社による権限濫用等を防止する方策についてどう考えるか。

その他の論点

株式の持合い 株式の持合いに関する開示の充実等を求める指摘があるが、どう考えるか。
買収防衛策 上場会社による買収防衛策の導入・発動について、どう考えるか。



(以上参考;週刊「経営財務」第2898号)
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