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                                                2008年12月24日             
 


 平成21年度の税制改正で制度化される承継税制の概要
 事業承継税制の創設で株式の贈与についても納税猶予へ

           小規模宅地の特例との完全併用も可能に


 平成21年度税制改正において、事業承継税制が制度化され、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」の施行日である平成20年10月1日に遡って適用される。
 21年度の改正では、昨年の大綱に記載されたいわゆる相続税の課税方式の見直しについては見送られたわけだが、事業承継税制については課税方式の変更にかかわらず行われる。
 まず、後継者の死亡以外の場合に猶予された税額が免除されるケースについては以下の3形態が具体化された。
・会社が倒産した場合
・納税猶予対象株式の時価が猶予税額を下回り、その株式を譲渡した場合
・次の後継者に納税猶予対象株式を贈与して、事業の継続を図る場合
 納税猶予については贈与についても適用されることとなり、平成21年4月1日以後に親族に贈与された株式については、その贈与税が猶予される。
 また、相続税の納税猶予制度は、小規模宅地の特例と併用が認められることとなり、それぞれの制度の上限までの適用が可能となる。
 事業承継税については、実際に事業承継を行う者の使い勝手が良い制度になることが期待されるが、制度の全体像が明らかになったことから、相続・贈与対策を専門に扱う実務家は改めて確認しておきたい。


 納税が免除される場合を具体化

 周知の通り、事業承継税制では、中小企業の事業継続において、事業承継に必要とされる自社株式等の相続税については、80%納税が猶予されることとなり、一定の場合には猶予された相続税が免除されることとなる。
 この一定の場合についてであるが、経済産業大臣の認定期間後に、後継者の死亡以外に納税の免除が認められるケースとして@会社が破産又は特別清算した場合、A納税猶予の対象となった株式の時価が猶予税額を下回り、事業を継続するためにその株式を譲渡した場合、B次の後継者に納税猶予対象株式を贈与して、事業の継続を図る場合、とされた。

 贈与についても納税猶予

 また、株式の生前贈与を促進するための税制措置も講じられることとなり、平成21年4月1日以降に、経営者の親族である後継者が、一括で株式の贈与を受けた場合には、その後継者の贈与税が猶予される。その場合、経営者が相続税の納税猶予制度の適用を受けていない場合も利用が可能となる。なお、後継者が贈与税の納税猶予制度の適用を受けている場合であっても、後継者を含む推定相続人は相続時精算課税制度の利用も可能となる。


 
小規模宅地の特例との併用も可

 この事業承継における相続税の納税猶予制度は、小規模宅地特例との併用が認められる。これまでも両制度の部分的な併用は可能とされてきたわけだが、今回の改正によりそれぞれの制度において、それぞれの制度の上限までの適用が可能となる。

(以上参考;週刊「税務通信」第3046号)
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