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M&Aニュース

                                               2009年1月28
 


  
 
改めて確認したい納税猶予の要件を規定する円滑化法施行規則

 円滑化法施行規則 パブコメを募り改正し贈与の納税猶予を規定

 非上場株式の評価に関するガイドラインは来月中に公表へ
      

  平成21年度の税制改正で創設される相続税と贈与税の納税猶予制度は、制度の適用要件が「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」の施行規則に規定される。
 しかしながら、現行の経営承継円滑化法の施行規則は贈与税の納税猶予制度の適用要件を規定していないため、施行規則を改正する必要がある。中小企業庁では、できる限り早い時期に改正施行規則案を公表し、パブリックコメントを募り、施行規則の改正を行う方針であり、早ければ1月中にも、改正案が公表される。
 また、円滑化法で規定されている民法特例の適用開始が3月1日に迫っているが、実務家にとって気になるのは、株式の時価の算定方法についてであろう。現在、中小企業庁では非上場株式の評価のあり方に関するガイドラインを作成しているところだが、こちらは2月中に公表される予定だ。


◆ パブコメを経て施行規則を改正へ


 既報の通り、21年度改正では、贈与税の納税猶予制度も創設されることに伴い、円滑化法の施行規則が改正されることとなった。相続税の納税猶予制度は、現行の円滑化法の施行規則で規定されている金融支援の要件を引用して、制度の適用要件とし、21年度の改正で手当てされる租税特別措置法とあわせて制度化される。また、贈与税の納税猶予制度についても、現行の円滑化法の施行規則を改正し、新たに制度の適用要件を定めることで対応することとなる。
 贈与税の納税猶予制度の適用要件は、相続税の場合と大きく異なることはないものの、後継者は、20歳以上で役員就任から3年以上経過していること、また先代の経営者は役員を退任する必要もあり、株式の贈与は一括で行われることも必要となる。改正される施行規則では、これらの手当と、税制との関係から文言等の所要の整備が行われる。
 中小企業庁は、施行規則の改正案を公表し、パブリックコメントを募った後に正式に法制化する方針で、できる限り早い段階で改正案を公表するとしている。


◆ 株式の評価のガイドラインは施行までに公表


 一方、円滑化法のもう一つの目玉である民法の特例による「除外合意」、「固定合意」等についてであるが、3月1日の制度の適用開始に関連して気になるのが非上場株式の評価に関するガイドラインだ。
 この「除外合意」とは、3年以上事業を行っている非上場の中小企業者である「特例中小企業者」が事業を承継するに際し、旧代表者の生前に、経済産業大臣の確認を受けた後継者が、遺留分権利者全員との合意内容について家庭裁判所の許可を受けることで、旧代表者から後継者へ遺贈された自社株式その他一定の財産について、遺留分算定の基礎財産から除外できるというもの。
 また、「固定合意」は、生前贈与後に株式価値が後継者の貢献等により上昇した場合、遺留分の算定については相続開始時点である株式価値上昇後の評価で計算されることとなってしまうのに対し、経済産業大臣の確認を受けた後継者が、遺留分権利者全員との合意内容について家庭裁判所の許可を受けることにより、遺留分の算定に際し、生前贈与株式の価値をその合意時の評価額で固定できるという制度だ。
 いずれの制度においても、合意の対象となる株式の価額が適切であることが前提となるわけだが、そのために、合意時の価値が相当であることについて、弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明を受けることが必要とされる。この際に、どのような評価方法に基づき評価した場合が相当な価額に該当するのかという点について、中小企業庁では、委員会を行ってきているが、このガイドラインについては制度の施行が開始される3月1日までに公表される予定となっている。
 




(以上参考;週刊「税務通信」第3050号)
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