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M&Aニュース

                                               2009年2月02
 



  企業結合基準等に対応し財規等改正へ

 金融庁 セグメント情報の開示様式は全面改訂
      

  金融庁は1月19日、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」等を公表した。「企業結合に関する会計基準」、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」及び「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」など最近公表された会計基準に対応し、財務諸表等規則等を改正する。2月18日まで意見募集を行う。なお、個々の会計基準の適用開始日に合わせ適用される予定だ。

 改正されるのは、財規、連結財規、中間財規、中間連結財規、四半期財規、四半期連結財規、監査証明府令、開示府令、財期ガイドライン等の各ガイドライン。対応する会計基準及び改正財規等の適用日は下記の通りである。


@企業結合基準関係

  • 企業結合に関する会計基準(企業会計基準第21号)
  • 「研究開発費等に係る会計基準」の一部改正(企業会計基準第23号)
  • 事業分離等に関する会計基準(改正企業会計基準第7号)
  • 企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(改正企業会計基準適用指針第10号)
  • 連結財務諸表に関する会計基準(企業会計基準第22号)
  • 持分法に関する会計基準(改正企業会計基準第16号)
  <適用日>平成22年4月1日以後に開始する事業年度から。ただし、平成21年4月1日以後に開始する事業年度から適用する   ことができる。

Aセグメント情報基準関係
  • セグメント情報等の開示に関する会計基準(企業会計基準第17号)及び同適用指針(会計基準適用指針第20号)
  • 四半期財務諸表に関する会計基準(平成20年12月26日、改正企業会計基準第12号)及び同適用指針(改正企業会計基準適用指針第14号)
 <適用日>平成22年4月1日以後に開始する事業年度から。

B賃貸等不動産開示基準関係
  • 賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準(企業会計基準第20号)及び同適用指針(会計基準適用指針第23号)
   <適用日>平成22年4月1日以後に開始する事業年度から。ただし、当該事業年度以前の事業年度の期首から適用することが    できる。


◆ 負ののれんの利益計上額は「負ののれん発生益」に

 持分プーリング法の廃止を柱とした改正企業結合会計基準が昨年末に公表された。持分プーリング法の廃止に伴う派生論点(取得企業の決定方法、逆取得または共同支配企業の形成に係る会計処理など)、株式を対価とする場合の対価の測定日、段階取得の会計処理、負ののれんの会計処理など改正項目は多岐にわたる。連結財務諸表規則等においても、当該改正に対応し注記規定を見直す。
 このうち、負ののれんの会計処理については、従来、負ののれんが発生した場合には、負債に計上され、20年以内の期間で償却することとしていた。改正基準では、負ののれんが生じる場合には、当該負ののれんが生じた事業年度の利益として処理することとされた。連結財規等の改正案では、固定負債の表示科目のうち「負ののれん」を削除するとともに、特別利益の表示科目に「負ののれん発生益」を追加している。
 また、段階取得の会計処理に関しては、個別財務諸表と連結財務諸表で異なる処理を行うこととなったため、連結財務諸表を作成していない場合の注記規定を新設した。

 「少数株主損益調整前当期純利益」を新設

 連結損益計算書の表示区分について、当期純利益の前に「少数株主損益調整前当期純利益」を新たに表示することとなった。税金等調整前当期純利益の算定後、法人税額等を加減して、「少数株主損益調整前当期純利益」を算定する。その後、少数株主損益を加減して、当期純利益を算定することになる。

【様式第五号改正案】(抜粋)
経常利益(又は経常損失)                      XXX   
特別利益
 前期損益修正益                          XXX   
 ・・・・・・・・・・・・・・                          XXX   
 負ののれん発生益                       XXX   
 ・・・・・・・・・・・・・・・                         XXX   
 ・・・・・・・・・・・・・・・                         XXX   
 特別利益合計                           XXX   
        ・ 
        ・
        ・
        ・
税金等調整前当期純利益(又は
税金等調整前当期純損失)                    XXX    
法人税、住民税及び事業税                    XXX    
法人税等調整額                           XXX    
法人税等合計                            XXX     
少数株主損益調整前当期純利益
(又は少数株主損益調整前当期純損失
)          XXX    

少数株主利益(又は少数株主損失)               XXX     
当期純利益(又は当期純損失)                  XXX     


◆ 単体ベースのセグメント情報の様式も新設

 「セグメント情報等の開示に関する会計基準」により、セグメント情報を開示する方法としてマネジメント・アプローチが採用された。この改正に伴い、セグメント情報の注記規定及び様式の全面的な改正を行う。
 また、セグメント情報は、連結財務諸表の注記情報としてのみ要求されてきたが、会計基準上、連結財務諸表を作成していない場合であっても開示が求められることとなったため、単体ベースのセグメント情報の注記規定及び様式を新設する(様式第二号「セグメント情報」、様式第三号「関連情報」、様式第四号「固定資産の減損損失に関する報告セグメント別情報」)。
 その他、セグメント情報会計基準の公表を受けて、平成20年12月26日付で、「四半期財務諸表に関する会計基準」が改正されたため、当該改正に対応し、四半期財規及び四半期連結財規の改正も行う。セグメント情報の関連情報は開示不要とされるなど、年度の財務諸表より一部簡略化が図られている。


 「賃貸等不動産」に関する注記事項を追加


 「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」では@貸借対照表上で「投資不動産」に区分される不動産、A将来の使用が見込まれていない遊休不動産、B@及びA以外で賃貸されている不動産を「賃貸等不動産」と定義し、これらの概要等を注記することとしている。財規等の改正案では、下記事項を注記事項として追加した。

 (1)賃貸等不動産の概要
 (2)賃貸等不動産の貸借対照表計上額及び当該事業年度における主な変動
 (3)賃貸等不動産の貸借対照表日における時価及び当該時価の算定方法
 (4)賃貸等不動産に関する損益




(以上参考;週刊「経営財務」第2903号)
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