運営人:潟Gムアンドエーインタークロス
後援:税務研究会

M&Aニュース

                                               2009年3月05日
 



  「企業結合」、中期プロジェクトの検討開始

 ASBJ 今夏に論点整理を公表へ
          
 

  

 企業会計基準委員会(ASBJ)は2月23日、第61回企業結合専門委員会を開催した。企業結合に関する会計基準については、EU同等性評価対応を対象とする「企業結合(ステップ1)」のプロジェクトを終え、それ以外の差異解消を対象とする「企業結合(ステップ2)の検討を開始した。主なテーマは、連結財務諸表の作成に関する基本的な考え方、のれんの償却、条件付取得対価の会計処理などである。早ければ7月に論点整理を公表し、2010(平成22)年に改正案を公表したい考えだ。


◆親会社説から経済的単一体説に?


 連結財務諸表の作成に関する基本的な考え方について、現行の会計基準では、親会社説を踏襲した取扱いがなされている。これに対し、国際会計基準では、明確に示されていないものの、個々の会計処理をみると経済的単一説による考え方による取扱いがなされている。今後、いずれの考え方を採用するかを検討する。ただし、専門委員会では、「いずれか一方に決めてしまった場合には、おのずと選択できる会計処理も限定されるため、決めない方がいいのではないか」という意見も出された。
 基本的な考え方の違いにより生じる会計処理上の差異のひとつが少数株主持分である。親会社説によれば、資本とは区別され、経済的単一説によれば、資本に含まれる。この考え方の違いにより影響がありそうなのが、子会社に対する親会社の持分の変動である。現行の日本基準では、子会社株式を追加取得した場合、追加取得した株式に対応する持分を少数株主持分から減額し、追加取得により増加した親会社の持分(追加取得持分)を追加投資額と相殺消去する。また、追加取得分と追加投資額との間に生じた差額はのれん(または負ののれん)として処理する。
 また子会社株式を一部売却した場合には、売却した株式に対応する持分を親会社の持分から減額し、少数株主持分を増額する。売却による親会社の持分の減少額(売却持分)と投資の減少額との間に生じた差額は、子会社株式の売却損益の修正として処理する。
 一方、国際会計基準では、資本取引(所有者の立場としての所有者との取引)として会計処理される。非支配持分の修正金額と支払対価または受取対価の公正価値との差額は。資本の部で直接認識され、親会社の所有者に帰属される。のれんの帳簿価額は修正されず、変動による利得または損失は、損益で認識されない。


◆正ののれんの償却も論点に


 その他、ステップ2の検討対象となるのが、正ののれんの償却の是非である。ステップ1においては、負ののれんが検討対象となったが、正ののれんについては、CESRの補正措置項目として提案されていなかったために、検討対象からは外されていた。今後行うステップ2のプロジェクトにおいて検討を行う予定である。国際会計基準では、のれんは償却せず、減損テストを毎期実施する取扱いである。






(以上参考;週刊「経営財務」第2908号)
       (このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)






Copyright (C) 1999- M&A Intercross Co.,Ltd , All rights reserved.
omo