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M&Aニュース

                                               2009年3月06日
 



  海外子会社配当益金不算入 一定の繰延税金負債を取崩すことに

 会計上の実務指針の改正時期、適用時期などは現在未定
          
 

  

 企業会計の上では、@日本の親会社が海外子会社の利益を配当金として受け入れるときに、国内外の税率の差により、追加納付税額が生じる場合、A親会社が国内子会社から配当送金を受けるときに、その一部又は全部が税務上益金不算入と取り扱われない場合、B親会社が保有する投資を売却する場合などに該当する際には連結決算上、繰延税金負債の計上等を義務付けている。
 しかし、平成21年度税制改正では、一定の要件の下、日本の親会社が海外子会社から配当を受ける場合には、その配当の5%のみを益金算入、残りの95%分を益金不算入とする「海外子会社からの配当の益金不算入制度」を創設する予定であるため、改正税法が実現すれば、配当を行うか否かに関わらず、上記@に基づき計上している一定の繰延税金負債を取崩して利益計上しなければならないこととなる。企業によっては、数千億円規模の繰延税金負債を計上しているケースもあるため、「いつから取崩すこととなるのか?」という点で注目を集めることもあるようだ。
 もっとも、現時点では、会計上の規定等を改正するのか、改正するとした場合の適用時期はいつか、などといった点について公式見解は示されていないので、今後の改正動向には留意されたい。


◆税効果会計基準の改正予定はなし


 平成21年度税制改正が実現したとしても、現時点では、税効果会計基準について見直す予定はないようだ。
 というのも、同会計基準は大枠を規定しているに過ぎず、その詳細は、日本公認会計士協会が策定する実務指針で示されているからだ。


◆税効果会計に係る実務指針の見直し 現時点では未定


 日本公認会計士協会が策定する『連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針』等を見直す動きは現在特段見られないが、平成21年度税制改正が確実に実現するのであれば、早晩見直し作業に着手することになるというのが識者の共通した見解だ。
 税制改正が実現しても、実務指針が見直されない限り、会計監査上は繰延税金負債の取崩しが認められることは難しいとの見方も強く、改正が行われるのかどうか注目される。


◆取り崩し時期が焦点に


 実際に実務指針が見直された場合、その適用時期が焦点の一つになる。というのも、通常であれば改正税法は3月末頃に公布、4月1日に施行という流れになるため、仮に3月末に改正税法が公布されたとした場合、その時点で繰延税金負債計上の要件の一つがなくなるとの考え方もあるからだ。つまり、3月末時点で繰延税金負債の取崩し益を計上し、これを21年3月期決算に反映させることを検討する向きもあるということだ。







(以上参考;週刊「税務通信」第3056号)
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