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                                               2009年3月17日
 



  JICPA 国外組織再編等で税法の適用関係を整理

  規定なし、解釈不明瞭などで判断難しく
   

  

  日本公認会計士協会は2月25日、租税調査会研究報告第17号「国外における組織再編等に係る国内税法の適用関係について(中間報告)」を公表した。同報告は、企業の国際活動を巡る税制の解釈と適用について問題を整理するとともに、解決に向けた糸口となる考え方などを探っている。「外国関係会社の組織再編」と「親子会社間クロスボーダー資本取引」の二つを柱に、タックスヘイブン対策税制など関連内容を論点としてとりあげた。
 これらの論点についてJICPAは、「さらに踏み込んだ検討が必要」とし、今回の報告書を「中間報告」として公表している。


◆企業活動の国際化で問われる制度対応


JICPAが公表した租税調査会研究報告第17号は、「国外における組織再編等に係る国内税法の適用関係」について、実務上の問題点を検討した。国外での組織再編やクロスボーダー資本取引など、活発になる企業活動の国際化に対して、税制等の対応や調整の難しさを指摘している。
 報告書によると、国外での組織再編など国際的な企業活動を巡って「検討しなければならないケースが頻発している」という。例えば、国外での組織再編で、日本の親会社が取引に関与する場合。取引がクロスボーダーで実行されるため、適用される根拠法が本邦税法でないときに課税関係の判断に窮することがあるという。
 同報告の構成は以下のとおり。
  • 外国関係会社の組織再編に関する論点
  • 親子会社間クロスボーダー資本取引等に関する論点
  • タックスヘイブン対策税制に関する論点
  • 外国税額控除制度に関する論点
  • 実務上の問題点を解決するための考察


◆税法の適用が難しい原因


 各論点について、税法の適用が難しい原因として次の点をあげた。
  • 税法上に定義規定が存在しない(特に各々の組織再編に係る明確な定義規定の不存在)
  • 税法規定を解釈・適用する上での不明瞭性(我が国と異なる外国の諸制度に対して本邦税法を適用することに起因する困難性及び不合理性)
  • 税法上の要件の適用に係る困難性及び不合理性(定性的な判定の困難性)
  • 取引金額(税法上の課税対象金額)の計算方法が我が国と諸外国で相違することに起因する困難性及び不合理性(定量的な測定の困難性)
 報告書では、税法(規定)における定義の不在や不明瞭な点に関して「税法の整備・充実を期待するしかない」としつつも問題の考え方もあわせて記述。先の例では、本邦と外国の法制度のコンセプトが概ね類似していれば本邦税法の要件に照らして取扱いを検討、そうでなければ本邦税法上の原則的な取扱いをすることが考えられるなどと指摘している。






(以上参考;週刊「経営財務」第2910号)
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