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M&Aニュース

                                               2009年3月18日
 



  東証 意見不表明に係る上場廃止判断に猶予

  次の監査・レビュー報告書も判断材料に
   

  

  東京証券取引所は2月27日、「継続企業の前提に関して意見不表明が出た場合の上場廃止基準に係る審査の取扱いの明確化のための上場管理等に関するガイドラインの一部改正について」を公表、施行した。
 今回の改正は、監査報告書または四半期レビュー報告書において、「継続企業の前提」に関する事由により「意見不表明(結論不表明)」が記載された場合は、上場廃止の判断材料に「その後、最初に提出される監査報告書または四半期レビュー報告書」を加えるというもの。個別のケースにもよるが、意見不表明によりすぐに上場廃止とはならず、次の監査(レビュー)報告書が提出されるまでの間、状態を見極める段階が設けられたかっこうだ。


◆GCを事由とする意見(結論)不表明に適用


 東証では、監査(レビュー)報告書について、監査人より「監査意見(レビューの結論)の表明をしない」旨を記載されると、株式を監理銘柄に指定される。また、その影響が重大であると取引所が認めたときは、上場廃止となる。今回の改正はこの規定に関連するもの。上場管理等に関するガイドラインの「W.上場廃止に係る審査」の3項に下線部分の文章が追加された。

・・・影響の重大性の審査は、監査報告書又は四半期レビュー報告書の内容(当該報告書において、「意見の表明をしない」又は、「結論の表明をしない」旨が記載されている場合であって、それが専ら継続企業の前提に関する事由によるものであると認められるときは、当該記載がされた後最初の監査報告書又は四半期レビュー報告書の内容を含む。)、当該報告書に「不適正意見」等が記載されるに至った経緯その他の事情を総合的に勘案して行う。
 
 つまり、監査人から意見(結論)不表明を記載されても、それが継続企業の前提に関する事由による場合は、上場廃止に係る審査に「その後最初に提出される監査報告書(または四半期レビュー報告書)の内容」を判断材料に加える。例えば、第3四半期のレビュー報告書が結論不表明となった場合、すぐに上場廃止の判断が下されるのではなく、年度末の有価証券報告書に添付する監査報告書も判断材料に加え、上場廃止の是非を審理する。


◆次回も意見(結論)不表明なら上場廃止が濃厚


 ところで、2009年3月期・第1四半期および第2四半期において、四半期レビューの結論を表明されなかった上場会社(3月末決算)は12社あった。このうち、継続企業の前提に関する事由により結論不表明となった11社すべてが、資金繰りなど合理的な経営計画・再生計画が未確定だった。
 今回の改正の背景には、四半期報告制度により、資金繰りなど経営計画を立てる期間が短くなったことを考慮した面がある。今後は、次の四半期会計期間が終了するまでに資金繰りの目処がつくなど、合理的な経営計画を提出できる状態に回復することで、上場廃止を免れるケースも考えられる。一方で、次の監査(レビュー)報告書でも意見(結論)不表明を記載されるような場合、上場廃止に追い込まれる可能性が高い。





(以上参考;週刊「経営財務」第2910号)
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