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                                               2009年3月25日
 



  所在不明株式の譲渡代金に係る税務上の取扱いが明らかに 
  
  
東京国税局 譲渡所得に該当と文書回答

     

  
  東京国税局は2月20日、所在不明株主の株式が市場売却された場合における株主の課税関係を文書回答で明らかにした。
 所在不明株主とは、株式に関する通知や催告をしているにもかかわらず5年以上継続して到達されない状態にあり、かつ、5年間配当を受領していない株主のことで、株式会社は、このような所在不明株主の株式については、一定の手続を経ることによって第三者へ売却することができることとされている(会社法196・197)。
 逆にいうと、所在不明株主は、第三者へ株式が移転された時点で、発行会社に株式に対する譲渡代金を請求することが可能となるのだが、今回の文書回答では、所在不明株主自ら株式の売却を行ったものではないが、代金請求の権利は株式の売却によって実現したものといえるため、所得区分上”譲渡所得”に該当することが明らかとされた。また、その代金の収入すべき時期については”第三者へ移転された時”となることも併せて確認されている。


◆5年間剰余金の配当が受領されないものが所在不明株式


 会社法上では、株式会社が株主に対してする通知または催告を行っているにもかかわらず5年以上継続して到達せず、かつ、その株式の株主が5年間剰余金の配当を受領しなかった株式(所在不明株式)は、市場売却することができることとされている(会社法197)。
 そして、株式の権利者である所在不明株主は、株式が市場売却され第三者へ移転された際に株主としての地位を失い、同時に新たに第三者が株主としての地位を得ることとなる。
 そのため、所在不明株主は、株式が第三者へ移転された時に会社に対して売却代金の支払を請求し得る権利を有するとともに、発行会社においてはその請求があった時に売買代金を株主に交付しなければならない。


◆請求によって所在不明株主が受け取った代金は”譲渡所得”



 今回の文書回答では、所在不明株主はその株式を自ら売却したものではないが、売却代金を請求する権利は”その株式の売却”によって実現したといえるため、株式の代金は所得区分上”譲渡所得”に該当することが明らかとされた。
 また、所在不明株主は、第三者に株式が移転した時点で株式の譲渡代金を発行会社に対しt請求することができることとなるため、代金の収入すべき時期は”売却時点”(第三者に移転した時点)”となることも明らかとされている。したがって、仮に第三者へ株式が移転された時から数年経過後に所在不明株主が株式の譲渡代金を受領した場合は遡って申告を行わなければならない。
 なお、所在不明株主の持っていた上場株式を、金融商品取引業者等を売委託により行った場合には、上場株式等に係る各種特例も適用することが可能となる。







(以上参考;週刊「税務通信」第3059号)
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