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M&Aニュース

                                               2009年5月18日
 



  上場株式と評価損否認金
  
    
    

  3月末の株価確定により、上場株式の有価証券評価損を計上する3月決算法人が相次いでいる。21年3月期は、過去の事業年度において有税で減損処理した「評価損否認金」を含め、税務上の有価証券評価損を計上することになるケースもあるようだ。
 税務上、上場株式などの資産の評価損を損金に算入するためには、法人税法33条第2項に規定する特定の事実が生じた場合に決算で損金経理することにより、帳簿価額と期末時価との差額に達するまでの差額を損金に計上できる。この場合、上場株式の評価損を計上できる要件として@期末の株価が帳簿価額の50%相当額を下回ること、かつA近い将来その価額の回復が見込まれないことの両方を満たす必要がある(法基通9−1−7)。
 評価損否認金のある上場株式の帳簿価額については、会計上は減損処理をした後の前事業年度末の帳簿価額であるのに対し、税務上は取得時などの帳簿価額ということになる。国税庁が公表した上場有価証券の評価損に関するQ&Aにあるように、税務上の損金算入できる金額は、会計上で損金経理した金額に限定されるということだ。
 過去の事業年度で評価損否認金のある上場株式を、その後の事業年度で税法上の規定に基づいて有価証券評価損を計上できる場合は過去に自己否認していた評価損否認金を含めて損金算入することが認められている(法基通9−1−2)。
 例えば、帳簿価額200円の売買目的有価証券以外の有価証券を過去に120円まで会計上の評価減を行い、税務上は80円を自己否認していたとする。さらに21年3月期の期末時点で60円まで下がれば、会計上は帳簿価額120円から50%下回る60円について減損処理をしなければならない。一方、税務上は回復の見込みがないと判断すれば、過去に否認していた80円については、申告調整により損金算入することが認められるわけだ。





(以上参考;週刊「税務通信」第3063号)
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