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                                               2009年6月03日
 



  投資法人とパススルー課税
  
  
  

  
  100年に一度といわれる大不況の影響で、上場REIT(不動産投資信託)においても、昨年、初の破綻例が出ており、現在も厳しい状況が続いている。このような状況の中で、投資法人が体質強化の観点から合併を行う場合の適格判定について、先月、国税庁から文書回答が公表された。
 投資法人は「投資信託及び投資法人に関する法律」に基づき設立され、内閣総理大臣の登録を受けて業務を行う法人であるが(投資法187)、税務上は、法人自体には課税されない仕組みがとられている。
 2009年3月末現在、投資法人は全国で55社登録されており、そのうち41社が上場REITとなっている。投資法人は資産の運用以外の行為を営業としてすることができない(投信法63@)等、一般の会社にはない規則が設けられている。
 法人税法上では、投資法人について特段の定めはないが、公共法人、公益法人等、協同組合等(法法2@五〜七)のいずれにも該当しないため、普通法人として扱われる(法法2@九)。
 普通法人であれば、法人の所得に法人税が課税されることとなるが、投資法人の場合、「投資法人に係る課税の特例」(措法67の15)により、配当可能利益の90%超を分配する等の要件を満たす場合は、配当等の額を損金算入するとされている。この特例を適用し、配当可能利益をほぼ全て分配すると、課税される所得がなくなるため、結果的に法人税は課税されないこととなる。例えば配当可能利益の91%を配当した場合でも、残りの9%程度は諸費用となるため、課税される所得は残らない。
 このように、法人税が課税される所得がなくなり、その結果、収益の分配を受け取った者の所得に課税されることとなる仕組みは、パススルー課税(構成員課税)と実質、同様となっている。
 パススルー課税は、組合に対する課税方法で、その組合自体には課税されず、各構成員を直接納税義務者とする仕組みがとられている。
 なお、「投資法人に係る課税の特例」(措法67の15)は、平成21年度税制改正により一部改正がおこなわれている。




(以上参考;週刊「税務通信」第3064号)
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