運営人:潟Gムアンドエーインタークロス
後援:税務研究会

M&Aニュース

                                               2009年6月08日
 



  事業再生ADR利用時の税務
  
  
  

  
   経済情勢の悪化により、近頃では会社更生法や民事再生法といった法的整理のみならず、私的整理により事業再生を図る企業も目立つが、その中には、平成19年の産業活力再生特別措置法の見直しに伴い導入された「特定認証紛争解決手続(事業再生ADR)」を利用する動きもあるようだ(平成十九年法律第三十六号)。
 特定認証紛争解決手続とは、主に上場企業に係る事業再生を目的とした私的整理の一種。同手続を主導する事業者を「特定認証紛争解決事業者」と呼称し、主に事業再生処理経験を豊富に持つ弁護士・会計士等が該当する。同事業者による一連の手続を、特定認証紛争解決手続という。
 私的整理ガイドラインと異なりメインバンクが中心となって再建を図る必要がない点、仮に法的整理へ移行しても一定の再建額は保護される点、一定の保証が行われることにより”つなぎ融資”を受けやすくなる点等のメリットがある。
 税務面でも一定の優遇措置が用意されており、国税庁が昨年公表した『特定認証紛争解決手続に従って策定された事業再生計画により債権放棄等が行われた場合の税務上の取り扱いについて』(文書回答)によると、私的整理ガイドライン、整理回収機構(RCC)、中小企業再生支援協議会による「一定の私的整理」を利用した場合と同様に、債務者サイドでは、資産の評価益及び評価損の算入ができる旨の整理が行われている。債権放棄等を受ける当事者側には債務免除益と相殺可能な損金が生じ、一方で、金融機関等側では債権放棄等による損失を損金算入できるということだ。
 特定認証紛争解決手続は制度として新しく、まだ利用件数も多くはないようだが、今後は利用者の増加も見込まれるので、税務上の取扱にも気をつけたいところだ。






(以上参考;週刊「税務通信」第3065号)
       (このコンテンツの使用に関し(株)税務研究会の許諾を受けています。)






Copyright (C) 1999- M&A Intercross Co.,Ltd , All rights reserved.
omo