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M&Aニュース

                                               2009年6月15日
 



  希釈化比率300%超の第三者割当は原則禁止
  
  
  東証 上場制度整備懇談会報告を公表

  
  (株)東京証券取引所は4月23日、提言、「安心して投資できる市場環境等の整備に向けて」を公表した。同提言は、上場制度整備のために設けられた「上場制度整備懇談会」が取りまとめたもの。近年、一部の上場会社において株主の利益を著しく毀損するような企業行動が増加していることを踏まえ、投資者が安心して投資できる環境整備などを求めている。具体的には、「第三者割当」について、300%を超える希釈化を伴い、かつ、株主の権利を不当に侵害する場合には上場廃止とすること、また、25%を超える希釈化を伴う場合等についても、株主の納得性を増すための手続を求めることなどを提言している。これを踏まえ、東証では取引所規制の改正に着手。夏にも改正が行われる予定だ。


◆ 25%超の希釈化に伴う第三者割当等にも対応


  「第三者割当」については、「既存株主の利益を害する」などの批判等がある。取締役会の判断で既存株主の議決権を希釈化させ、また、希釈化によって支配権が異動する場合等もあるためだ。
 この点「提言」は、希釈化率が300%超の「第三者割当」について、少数株主保護等の観点から「重大な問題があると考えられ、東証は上場廃止を含む毅然とした対応をとることとして、株主権侵害の未然防止を図ることが適当」としている。ただ、希釈化の倍率のみで一律に規制することは過剰規制になるおそれがあるため、「株主の利益が不当に侵害される場合に限るよう、実質的な判断を取引所が行うこと」も求めた。
 また、25%以上の希釈化や、支配権の移動を伴うような「第三者割当」については、「原則として株主の納得性を増すための手続を求めることが必要」として、経営陣から独立した特別委員会などからの意見聴取や、株主総会決議などによる株主意思の確認などを提案している。

◆第三者割当に関する対応策
問題意識 対象 手続/審査 備考
希釈化・支配権の異動 希釈化300%超 ・実質審査の対象とする ・株主の利益を侵害するおそれが少ない場合は措置を講じない
希釈化25%以上又は支配権の異動あり ・経営陣から独立した者からの意見聴取又は株主総会決議などによる株主意思の確認 ・左記の手続を実施することが困難なほど資金調達の緊急性が高いと東証が認める場合は、手続は不要
割当先に関する問題 支配株主の異動あり ・事後的に支配株主との間の取引について確認                    
割当先が上場会社及び取引参加者以外 ・割当先の反社会的勢力等との関係の有無について確認                    
有利発行の該当性 計算方法次第ではディスカウント率が10%超 ・開示資料に監査役からの適法性に関する意見を追加など ・CB及び新株予約権の場合は必ず必要
資金的手当て 第三者割当全般 ・上場会社による割当先の資金手当ての確認並びにその方法及び結果の開示                   




(以上参考;週刊「経営財務」第2918号)
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